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『三角館の恐怖』同様こちらも友人からの頂き物。法曹界出身という出自が示す通り、法的観点から犯罪を丹念に描写した短編群は派手さは無いが問題提起的な意味合いにおいて現代にも通じるものがある。「彼は誰を殺したか」に見える美しきロジックは、大長編「殺人鬼」にも見事に現れている。戦前のド本格。犯人が読めるというのは、それだけロジカルに書かれているからだろう。
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『彼が殺したか』
『悪魔の弟子』
『死者の権利』
『夢の殺人』
『殺された天一坊』
『彼は誰を殺したか』
『途上の犯人』
『殺人鬼』
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「殺人鬼」が素晴らしかった。お約束すぎる本格探偵小説の王道設定に読んでる間中笑顔が止まりません。ヴァン・ダイン大好きなんだな、というのもよく伝わってきまして、さらに好印象。
(※この作品、グリーン家を未読の人はネタバレされるので要注意)
「『法律的探偵小説』の先駆者」と解説にあるように、収録されている作品が皆、法律がらみのネタを扱っていて、どれを読んでも「法律」が出てきます。
このため、ぶっ通しでこの文庫を読んでいくと「あー、また法律ネタかぁ」という気分になっちゃうので、間にテイストの違う本を挟みながら読みきるのが良いかと思います。
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探偵小説集。
お気に入りは「夢の殺人」。実に巧妙に思える計画だったのに、まさかこんな顛末に! しかし本当はもしかしたら……? という想像の余地が残されるところにも、なんだかぞくりとさせられてしまいます。
そしてやはり「殺人鬼」が凄いなあ。いやまさか、「グリーン家殺人事件」のネタをこれほど壮大にばらしちゃってるってのも凄いですが(笑)。
秋川家で起こる謎めいた連続殺人事件。その解決に乗り出した二人の名探偵。なのに次々増える被害者。名探偵が二人もそろって何やってんだい、と思わないでもないのだけれど。ある程度は事件が起こらないと面白くないというジレンマがミステリには存在するので(笑)。ここは突っ込んではいけないところなんでしょうね、たぶん。
とにかく誰もかれもが怪しい中でどんどん容疑者が減っていって、それでもなかなか見抜けない犯人像。やがて明らかになる過去の因縁。物理トリックではなく、心理的なトリックを用いたところも面白かったし。ミステリの面白さを充分に堪能できました。
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昭和初期に発表されたミステリーとは思えないほど読みやすかった。けど、長い。疲れた。
怨恨の原因がそうだったとは…昭和も遠くなったな~という感がする。
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どの作品も犯人が明確なようでいて、終わりまで読むと、本当にこの人が犯人なのか?殺したのか??と悩んでしまう作品ばかり。そこが読後感が悪いかというとそんなこともなく。面白い作品ばかりで、他にも探して読んでみようと思える作家です。