紙の本
カメラよりも凄い精密画
2001/08/30 14:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くもざる - この投稿者のレビュー一覧を見る
妹尾河童の本職は、舞台美術などの仕事。だが、凝り性のこの方、何か面白い物を見つけては、スケッチしたり説明文を書いていたりしたらしい。それをテーマ毎に一冊の本にしたのが、この「河童が覗いた」シリーズなのだ。インド、ヨーロッパなど、時には家族の制止を振り切って旅を続け、その時に見た物を正確にそのままスケッチしている。これが、もうとてつもなく精密。「精密」と一言で言っているが、デッサンの狂いがまるでなく、実写よりも凄い。本職が舞台美術なだけにこういう絵はお手のものなのだろうが、横に添えられている字も判で押したように整然と並んでいるところを見ると、もともと細かいことが得意のようだ。
文章も面白い。いろいろなものを興味津々で観て回っている河童氏の姿が目に浮かぶようだ。そこら辺のガイドブックを読むくらいなら(特に日本製のガイドブックは、高い割には約に立たず面白みがないし)、この本を讀んだ方が、その国の雰囲気がつかめると思う。旅行記など苦手、という人にもおすすめする。
それにしても、「この河童が覗いた〜」シリーズはもともと人気だったが、「少年H」で小説も書けることを証明した妹尾河童。器用な人は器用だ。ちなみに、「妹尾河童」は、芸名ではなく本名なのだ。「河童が? 親がつけたのか?」と思ったあなた、凝り性の河童氏は後々苦労の末、改名したのだ。何で改名したのかは、河童氏のファンになって、他の著書を讀めば分るよ。
投稿元:
レビューを見る
緻密な手書きの挿絵が印象的。インドで泊まったホテルの間取り、見つけた変わったモノなど細かな図入りで解説されていて面白いです。ただ、発行されてからかなり経っているので、実際にインドで探して、「それはもうナイよ」と言われてしまったモノもありましたが・・・
投稿元:
レビューを見る
1978年と1983年に2回,1ヶ月半ずつ出掛けていって,話の特集に連載〜カルカッタ・カジュラホ・アグラ・デリー・ボンベイ・ハイダラバード・マドラス・マドゥライ・コーチン・マイソール・バンガロール・アジャンタ・エローラ・ウダイプール・ジャイプール・スリナガル〜ムンバイ(ボンベイ)はゾロアスター教徒(パースィー)の町で,私も死んだら沈黙の塔に置いて欲しいと思う。巨岩の町ハイダラバードも魅力ある。最南端のコモリン岬にはちょっと惹かれるが,マイソール,ウダイプールやスリナガルには是非行ってみた。マイソールはマハラジャ・パレス,ウダイプールは湖に浮かぶレイク・パレス・ホテル,カシミール地方のスリナガルはボートハウス。バンガロールはシュラバナ・ベルゴラのジャイナ教の聖地の一つだが,足の裏の柔な私には無理。あとがきの活字の読みにくさと,河童の手書き文字の読みやすさ!
投稿元:
レビューを見る
「河童が覗いた」シリーズ第3作。中でも名作の呼び声高いインド編です。インドの全貌を通り過ぎただけの旅人が分かるはずはない、あくまで自分の覗いたのはインドの一部分であるという河童さんのスタンスには共感できる部分が多いです。
緻密なイラストや文字は当然のこと、50歳を超えた河童さんの好奇心と、それをもとにした若すぎる行動っぷり、インドの人との付き合いかたに目を見張ります。
投稿元:
レビューを見る
ヨーロッパよりも一国に集中しているし、本になることを前提に旅しているので読みやすい。
実際にインドに行ってもこんなに観察出来ないだろうからインドに行くよりこの本を読む方が私にはあっていると思う。
世界史を勉強しておいてよかった。
投稿元:
レビューを見る
もっと早く読めばよかった。字の小ささから取っ付きにくかったのかも。いざ読み出したら、インドあるあるの深い洞察力、軽快な表現でぐいぐい旅行してる気分になった。河童の覗いたシリーズ、読みたくなった。インド、旅にいきたい!!!
2014.4.5
投稿元:
レビューを見る
素晴らしい。
インド本としては、藤原新也の「印度放浪」とともに名著なのではないか。
その手書きやイラストの描写にただただ圧倒される。こういうのを本というのでしょう。
インド旅行を終えた著者が東京に戻ってきた、1985年の4月。
その一ヶ月後に自分が生まれたんだなーとなんとなくしみじみ。
少年Hもぜひ読んでみましょ。
投稿元:
レビューを見る
インドに行く前に借りた1冊。
イラストのディテールに脱帽。
インドは広く、そして深い。
インドを覗くと、何が見えてくるのか?人一倍の好奇心と行動力で“覗きの河童”がスケッチブックと巻き尺を携え、インドの大地を這いまわった。
下痢にもめげず、熱射病も乗り越え、体験したものは…。
細密イラストと手描き文字で、浮かびあがらせたインドの素顔。
上から下から斜めから、“生き生きインド”が見えてくる。
空前絶後のインド読本決定版。