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食べ物と歴史に関するエッセイ集
squash
アメリカには「まずくない味」という味がある。アメリカン・コーヒー、パン、七面鳥、魚料理全部、スープ全部がそれにあたる。
信仰への迫害を逃れて遠い未開の地へやって来た人々は、おいしいものばかり食べて遊び暮らすわけにはいかなかったのである。
もう少しなんとかすれば文明人にふさわしいレベルの料理が食べられるとわかってはいても、建国の父達にはその時間が惜しかった。
そういうわけで、「まずくない味」で我慢して国家建設へと邁進してしまった。
でも、いまでは改善してるんでしょ?
natural food
アメリカの風俗や現象を一言で言い切ることは不可能だ。社会構造も様々な要素が絡み合って成立している。とても多い人口、それぞれの人種的背景、住んでいる風土からの影響など。
1970年代後半には、ナチュラルフードが流行した。ベトナム戦争の敗北によって、国民の関心が国内へ向かった頃だ。Die Young(若死に)はもういやだLive Long(長生きしよう)。そのためには、環境が丸ごと良くなくてはならない。自然を大切にしよう。
国力の強弱は働く女性の地位高低に反映する。女性が社会の中で力を持つにつれて、肥満は恥ずべき事という価値観が出来上がってきた。そしてまたナチュラルフードが注目される。
しかし、ナチュラルフードに明白な定義というものは存在しない。
1917年から、「添加物の入っていない食品」、「加工処理していない食品」、「不純物を混ぜない食品」をナチュラルフードと呼んでいたが、現在では、「人工的に化学物質を使う食品加工の技術を最小限に止めること」ぐらいの意味だ。
ヘルス・フードとも呼ばれる。
東洋志向 日本食ブーム