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SF界の巨匠アーサー・C・クラーク珠玉の一作は、ヒューゴー賞とネビュラ賞のダブルクラウン。
舞台は西暦2130年。宇宙に進出した人類は、謎の物体が宇宙の彼方から太陽系へ迫りつつあるのを発見する。
当初、小惑星と思われていたそれは、探査の結果、高度に発達した文明による円筒系の建造物らしきものであることが判明する。
艦長ノートン率いる調査隊は、宇宙船エンデヴァー号を、ラーマと名付けられた建造物にランデヴーし、調査を開始する…
すげぇワクワクしながら読んでいた。
クラークの作品には、冒険心というか、知的好奇心をくすぐられる感覚で、常にワクワクさせられる。
というのも、作中で示される建造物内部の構造や、調査隊や学者による推察が極めてリアルなのだ。だから、頭のなかの空想に酔いしれることができる。
さて、以前読んだ『2001年宇宙の旅』や『幼年期の終り』と同様に、本書は、人類と地球外生命体とのコンタクトをひとつのテーマにしている。
クラークは、地球外生命体を人類より卓越した存在に描くことで、彼らが何のために人類の前に姿をあらわしたのか、その目的の究明に焦点をあてている。
そして、その目的には、人類には推し量れない領域があることを示唆することで、宇宙の深淵さを確実なものとし、茫漠な宇宙空間に対する読者の知的好奇心を見事に高揚せしめている。
また、本書におけるコンタクトの対象は、異星人ではなく建造物であり、その目的も遂に明らかになるわけではないが、これもまた知的好奇心を高める要因のひとつだ。
加えて、作中最後の一文。
これには鳥肌がたったなぁ。否応なしにその言葉の真意を探ってしまう…
どうやら続編がある模様。
読みたいけど、真相を曖昧なまま伏せておきたい気もする。
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ラーマ平原に降り立ち、世界を一周する円筒海や、雲に霞む”ニューヨーク”を見上げる自分を想像せずにはいられない。リングワールドと双璧をなす圧倒的なスケール感に心を揺さぶられた読者も多いのではないか。傑作SF
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必修アーサー・C・クラークその3。
我々(一部の)日本人にとってはお馴染みのスペースコロニー、
その邂逅と探検録を描いた一作。
ある種のファーストコンタクトと言えるのでありましょう。
何といってもこのジャケットがネタバレである。
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深宇宙より太陽系に飛来した謎の巨大物体。その内部で探査隊が見た、驚異の数々とは!?
35年前の科学常識で書かれたとは思えないほど違和感無く読めた。
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難しかった、、、。(^_^;)。
語られる状況を頭の中に想い描くのが、、、。
そんなに高等な物理の知識は要しないけど、
語られるスケール(距離や力など)が大き過ぎたり、小さ過ぎたりしてなかなか想像が付かない。
序盤は苦痛でしかなかったけど、
地球外生物との遭遇辺りから読み応えが出てくる。
終盤は面白く読めました♪
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クラークの未知との遭遇物、とにかく面白い
表紙 6点鶴田 一郎
展開 7点1973年著作
文章 7点
内容 750点
合計 770点
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シリーズものです。最初のこの小説は、クラークのみが書いていて、数学的で、彼らしい宇宙観というか異性物がいた場合の異性物の考え方等非常に深い内容です。この後のシリーズ、2,3,4は、G・リーと一緒に書いていて、G・リーが、キャラクターデベロップメントを担当しているので、登場人物にもっと奥行きがついて、宇宙を又にかける壮大なドラマに展開していきます。
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ラーマという、人工惑星を舞台とした冒険小説。
解説によると、 「プロットがなく、小説とはいえないが、想像力を刺激し興奮させるものをもっている」とのこと。まさに、その通りだと感じた。
惑星内の冒険が非常に刺激的。未知の環境・重力の影響・ラーマ人の存在の有無・惑星の移動による環境の変化など、謎と困難が絶えず、情景描写も壮大。
一緒に冒険した気になって、ドキドキしながら読めた。
各章が10ページほどと短い構成も、テンポ良く読めて好み。
著者の作品は『2001年宇宙の旅』『幼年期の終わり』に続いて3冊目だが、1番楽しめた。
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このSF小説は、四部作の内の一作目です。
近未来の太陽系に突然現れた物体によって起きた物語の序章です。
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紛う事なき傑作!
ラーマ内での調査(探検)に引き込まれ、その内部世界に圧倒された。
あえて言えば、最後があまりにもサッパリと終わったことで、ラーマの謎は謎として何のヒントもなく残ったことが少しばかり惜しい。
ただそれに関しては、相当に高度な技術を理解しようとしてもそれはできないということが答えなのかもしれないが。
また、読者を妄想の世界へ駆り立てる意図があるのであれば、その試みは大成功である。
ここまで非現実的な世界であるのに、まさに自分が探検して実際に見てきたかのようなリアリティーでもって頭の中にその世界を描けるというのは全くもって素晴らしいことである。
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2130年、太陽系にやってきた小惑星は実は円筒状の物体だった。探査すべくエンデバー号が出動する。
出動してからはラーマと名付けられた円筒状の宇宙船?のなかの探検の描写。長さ50キロ、幅16キロ、中には海みたいな水と人工物の建物群もあるようだ。出だしは面白かったが、探査になると、閉じられた巨大空間というのがどうも興味を持てなかった。
ラーマは頬をなでて去ってしまい、実態解明されればおもしろいのか。2,3,4と読むべきか?
ヒューゴ賞、ネビュラ賞、ローカス賞、ジョン・W・キャンベル記念賞、英国SF協会賞と華々しいかぎりだが、「楽園の泉」もヒューゴ賞、ネビュラ賞とってもそちらもいまいちだったので、この賞は自分には合わないのかも。
1973発表
1985.9.15発行 1994.8.31第11刷 図書館
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木星付近で発見され、太陽に向かって進む謎の円柱。直径約100kmの物体は「ラーマ」と名付けられ、その動向が注目された。探査船エンデヴァーで到着したノートンたちはラーマの北極の面に着陸し、そこで入り口らしきものを見つけた。その入口を入ると、内側に広がっていたのは、小型の生態系であった…。
古典SFを読む月間。宇宙、SF、物理学、生物学、環境、機械その他諸々を網羅し尽くし、さらには未知の環境を探索する冒険小説も含む、いたれりつくせりの全世代対応のSFである。すばらしい。
ラーマの内部が、まず凍りついているが、回転をすることで重力を生み出しているというアイデアから、太陽に近づくにつれて温度が上昇、その事により大気の対流が発生しての自然の猛威。さらには謎の生物の設計に、それらが生き残っているメカニズムなど、ここまで網羅されているSF作品は、そうそうないだろう。
また、シロアリなどの生物の知識なども細かく散りばめられていたり、稲妻とラーマ自体の動きとの関係など、相当緻密に組み立てられている。
それらが無機質にばらまかれているわけではなく、一章一章をこまかくして、ノートンたちの冒険を印象づけるような、子供向けの記述の配慮や、中盤からの(結局よくわからなかったが)ラーマにおける生命体の出現による盛り上がりなど、数あるSFの中でもここまで要所要所で興奮させられる小説もないだろう。
無機質でハードな宇宙ものというアシモフの難しさで、当たり外れが大きいといいう印象を持ちがちな読者(ワタシもである)は少なくないと思うが、これは間違いなく当りだ。
宇宙版『十五少年漂流記』に、大人も納得するメカニズムである。
「ラーマ人は3つ組でないと納得しない」
続編あるの?