紙の本
明るく楽しいシンデレラ
2000/11/30 19:57
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投稿者:りーこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
絵本のシンデレラって、憧れだけど暗いしなんだか物足りない。もっと長くて楽しいシンデレラが読んでみたいと思った時に出会ったのが、シンデレラをモチーフにしたこの「ガラスのくつ」です。
この本は、登場人物が実に個性的に生き生きと描かれています。まず、シンデレラにはエラという名前が与えられていて明るく優しい娘、継母は実は頭がはげだったり、二人の意地悪な姉も一人は太っちょ、一人はガリガリで甘えん坊のわがまま娘という設定になっています。
そして何をするにも、二人の姉はドタバタ・ドタバタと大騒ぎで、そのけんかがまた子供っぽくて身近に感じ、思わず笑ってしまいます。
私はシンデレラのお話が、始めは部分が暗くかわいそうでに思い、あまり好きではありませんでした。だけどこの本は始めから終わりまで明るく楽しくて、飽きることなく一気に読めてしまいます。大人が読んでも楽しい一冊です。
紙の本
ガラスのくつ
2000/12/02 23:31
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投稿者:じゅりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ガラスのくつ」で、みなさんが1番に思いだすのは何でしょう??きっと、大体の人が、『童話「シンデレラ」を思いだす』と答えることでしょう。そうなのです。この作品は、童話のシンデレラを題材としたお話なのです。けれども、シンデレラのお話よりも、内容が細かくてシンデレラを2倍楽しめる本と言ってもよいでしょう。この作品を読んで、本当の「シンデレラ」を味わってください。
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小さい頃大好きだった童話の再読。シンデレラのストーリーだけど、ファージョンのお話はキャラクターが生き生きしていて、食べ物の描写もおいしそうで、小さい頃何回も読んだ。再読したけどやっぱりよかった。
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ファージョンのシンデレラ。
ディズニーみたいなひらひらした仕草でくるくる動く絵が浮かぶ。
生き生きとしたキャラクターと美しい文章。
過剰適応の良い子ちゃんっぽさをのぞかせつつも活き活きとしたエラが魅力的。
なにもできないお父様が、己を恥じてなおやっぱりなにもできない弱い人であり続けることにイライラするけれど、あまりの子どもっぽさに嫌いになれない。
王子様の気まぐれで仕事が増えてうんざりするお城の人がやけに人間くさくて楽しい。
好き好きいってるくせにお姫様がどんな人だかすらろくに答えられない王子様はどうしようもないけれど、どうしようもなさがきちんと描かれているのがいい。
そんで道化ー!!!!報われて欲しい。報われてるのかもしれないけれど、評価されて欲しいと願ってしまう。
王子を言祝ぐうただけはちょっとひいた。「きみの命は八千代まで」ってあれだろ。いやでもあえてなのかな。
この物語はとてもよくできていて、文句なく名作で、好みから言っても★5に値する。
ただ、「心の醜さ」と「見た目の醜さ」がイコールで、ゆえに醜いものはひどい扱いをされても当然な王宮の描写やお母様の描写が気になる。
良い娘は醜いものにも親切でなければいけない。
醜い年寄りに親切にすればごほうびに夢をかなえてもらえるし、醜いカエルにキスをすれば王子様が手に入る。(まあ、床に叩きつけるケースもあるけれど)
だけど王子様は間違いだろうが真実だろうが、「本物」の美しいお姫様を選ぶことが許される。
いじわるなままはは(や姉)は醜いから醜い悪いもののまま。姫の慈悲以外の許しを得ることはない。
時代や世代を考えれば差し引ける「瑣末なこと」なんだけど、それでも、「ジロジロ見ないで」を読んだ後では容認できない。
本当にすごく大好きだけど私はこの本に★5の評価をつけるわけにはいかない。
2011/03/04 再読
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シンデレラを題材にした戯曲を本に書き直したものらしい。出てくる男性キャラが全員ぼんくら(失礼)でイライラしたのを除けば可愛らしい本。
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国際アンデルセン大賞名作全集2 講談社昭和43年第1刷発行 石井桃子訳 アーネスト-シェパード絵
赤字に金の星がちりばめられたきれいな装丁。
子ども時代の本を処分するために久々に棚から出してみたが
やっぱり手放せなくて読み返すことにした。18年前には子どもにも読み聞かせた。本ってソフトじゃなくてハードなんだとだれかが子どもの本についての対談で語っていたが、本当にそうだと思う。
処分するのは85歳くらいになってからでいいや。
子どもの頃はこの物語を充分に味わえていなかった。あまやかでシニカルでおとなのファンタジーなんだということがよくわかった。ファージョンの他の作品も読み返してみよう。
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基本図書、手にする機会があって読んだ。
「シンデレラ」の昔話がもとになったもの。
エリナーが弟のハーバートとの合作で劇にしたものを、物語に書きかえた作品。
「6 そだにたきつけ」で、エラがおばあさん(妖精)と出会ったところ、鳥肌がたちました。
シンデレラを知っている人は、このおばあさんがシンデレラを助けてくれる魔法使いだと気づくはずです。
小学生以上は魔法を信じていないと思いますが、それでも、現実と夢のあわい、ファンタジーを感じる心を持っています。
その心のやわらかいところに響いてきました。
ちなみに、そだというのは、切り取った木の枝、薪になるものだそうで、今回初めて知った単語でした。
私がシンデレラを知ったのはディズニーの漫画映画のビデオで、大人になってからマーシャ・ブラウンの絵本『シンデレラ』をみたときも、すてきだなあと思っていました。
そして最近、ディズニーの実写映画をテレビでみて、シンデレラが「エラ」という名前の女の子で、シンデレラは「灰かぶり」だということを知ったのでした。
『世界のシンデレラ』(川田雅直、PHPエディターズ・グループ、2019年)をぱらぱら見てみたところ、シンデレラの話が世界各国にある、日本では坪内逍遙が「おしん」として翻案したなど、「へえ!」なことが紹介されていました。
話がそれましたが、この『ガラスのくつ』は読みやすかったです。
約300ページありますが、細かく30章にわかれているし、シンデレラを知っているので安心して読めます。
自分の知っているシンデレラのエピソードと異なる細部に気づくのも楽しいし、エラの挿絵がかわいい。
ときどき劇を彷彿とさせる詩の部分が物語の差し色になっています。
ディズニーのシンデレラでは、シンデレラがひどい扱いを受け入れているのにいい子なのが信じられないと思っていたので、この物語のエラがいい子すぎない描写があるのもいいと思いました。
ほか、王子以外のキャラクターの印象がみな強く、道化が不思議で憎めないキャラクターでした。