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紙の本

独立したばかりのコンゴを舞台にしたスパイ小説

2005/04/14 23:39

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:APRICOT - この投稿者のレビュー一覧を見る

1973年のエドガー賞最優秀長編賞受賞作。
舞台は1962年、独立したばかりで混迷状態にあるコンゴ(1971年にザイールと改称し、1997年に再びコンゴに戻った)。主人公で語り手のマイク・ヴァーノンは、アメリカ大使館に勤務するCIA部員。無二の親友で、大使館付武官のテッド・スターンズが、突然殺害される。
スターンズ殺しの真相究明を縦糸に、動乱のコンゴでの諜報活動を横糸にして、物語が紡がれていく。前者は主人公が感情に走りすぎて、うざったく感じた。後者は悪くはなかったが、コンゴという特異な舞台設定がイマイチ生かされていない気がした。全体的に、おもしろくない事はないのだが、なんかギクシャクした感じで、話に乗れなかった。
しかし、最後の最後、エピローグで明らかになる“衝撃の事実”には、頭をガツンとやられた思いだった。最近ならともかく、1960年代にはこれはちょっと無理な気がする。だが、あるいはこの“時代を先取りした”衝撃こそ、エドガー賞受賞の理由かもしれない。

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