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紙の本
ミクロな対象を扱う物理学的思考法の持つ哲学的な諸相の解明
2005/10/02 17:08
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
科学哲学の本を読みはじめたきっかけは、「ミスター半導体」西澤潤一氏のもっとも感銘を受けた本という、ボルツマンの「現代物理学の論理」を読んだことである。さらには、いしいひさいち氏の哲学漫画「現代思想の遭難者たち」が面白く、そこにとりあげられた哲学者の著作を読む気になった。二三冊読んだが、どの本も、書かれてあることを理解できたとは、言いがたい。この本も御多分に洩れない。しかし、全体的な感じはつかめたような気もする。
本書は、ミクロな対象を扱う物理学的思考法の持つ哲学的な諸相の解明に重点を置いている。はじめの五章では、科学的観察の説明、事実と事実を表現するための表記言語との相互関係、因果的表現のもつ理論負荷的性格、ある物理理論が形成される場合の推論の働き、物理学における法則命題の機能などを取り扱う。第6章では、素粒子物理学のいくつかのテーマとの関連において、いろいろなデータの中に、概念上の秩序を求めようとする試みについて、あきらかにしていく。それらのテーマは、原子論的説明の本性、粒子と波動性の二重性、ミクロの対象を扱う物理学における個物、不確定関係の論理的身分、対応原理、ψ関数とその意義、などの諸点である。
本書の趣旨は、以下のことであろう。
現代理論物理学の観察言明群を受け入れ認めなければならない理由は、もしそれを認めれば,極めてマチマチで一見両立しがたく思われるミクロ物理学的な現象についての包括的で体系的な説明を、当然のこととして得ることができる、という点なのである。それ以外に、どういう理由があり得ようか。観測事実から出発して、それらの観測言明とその説明とを導き出してくれるような公式へと遡って推理していくやり方は、近代物理学では、最も基本的なことがらである。
物理学の哲学というのは、非常に特殊なものである。一般的に言えば、非常に特殊な分野でも、その最も基本的なところまでたどっていくと純粋哲学になる訳であるが、物理学の場合は、自然哲学になる。その根本的なところまで追求していくと、結局、概念分析、基準の批判、方法や理念の修正などになる。
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