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『広告とは何か?』を問いかける書。
このように多面的に 広告を論じるのは、
ただ者ではないと 思う。
広告という時代の流れで 流されて行くにもかかわらず、
その中で、記憶に残り 時代の息吹を感じさせる。
そういう言葉たちで つくられた 広告が
埋もれていくはずなのだが、そんなに簡単に
ほかっておかない 人がいるのは すごいことだ。
広告を文化論の側面から見て、
広告の批評をすることで、批判を育てるという。
大熊信行『消費者から生活者へ』1963年
生活者とは『生活の基本が人間の自己生産であることを自覚しているものであり、時間と金銭における必要と自由とを設定し、つねに識別し、あくまでも必要を守りながら、しかも自由を追求するものである。』
加藤秀俊『商品の意味論』1965年
生活情報としての広告と言う視点がいる。
この本の中には 内容がたっぷりであるが、対談が秀逸である。
谷川俊太郎
和田勉
林光
山藤章二
横尾忠則
糸井重里
こうしてみると 糸井重里は コピーライターとはなにかを
早くから 身体から 紡ぎだすことがでていたのだ。
コピーとは 野次のようなものだ。
ストリッパーに 『もっとマジメにやれ』とのヤジ。
ふーむ。おもしろかった。
政府の広告 『平和は、与えられるものではない。』
糸井重里 『とにかく 死ぬの ヤだもんね。』
佐々木克彦『兄弟 みな人類』
上田耕平『殺されるために、生まれたんじゃない。
殺すために、生まれてきたんじゃない。』