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去年の9月に北アルプスプチ縦走したときに出会った、喜作新道。燕岳から大天井岳にむかう途中、なだらかな裏銀座からガラリと変わり岩だらけの道になる。
大きめの岩がゴロゴロしてる道を作ったのがこの人なんて!というか人間が作ったなんて!驚きだった。
山を知り尽くした猟師であり山案内人の喜作は息子と一緒になだれに巻き込まれて不可解な死をとげる。
山に生きる男の力強さと圧倒的な体力に感服する。
米担いで夜の北アルプスを往復とか、すごいよ。信じられない体力だよ。
明治〜大正時代の山は変わり者でお金持ちの大学生しか登らなかったらしい。山小屋に泊まるのも相当高かったみたい。
今はよい時代になったんだな〜
時代背景は第二次大戦の少し前で終わる。
田舎からみえる、日本が戦争に向かっていくことになった群集心理も描かれていて、ただの山岳ルポに収まっていないところも読んだ価値があると思える理由。
キリキリと貧困に追い詰められる農民。戦争を景気回復の手段としか考えなくなる。
こんなはずじゃなかった。
あの時代に生きた人はみんなそう思うんだろう。