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魔法のゆび みんなのレビュー
- ロアルド・ダール (作), 宮下 嶺夫 (訳), ウィリアム・ペン・デュボワ (絵)
- 税込価格:1,100円(10pt)
- 出版社:評論社
- 発行年月:1986.7
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紙の本
とびっきりのアイデア、愉快なお話、自然や動物に対する観察力など、ダールらしい魅力がいっぱいの童話
2001/01/10 13:52
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中村びわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
はっとするようなとびっきりのアイデアで子ども向けの童話を作る、ロアルド・ダールの本領が発揮されている一冊です。
ほぼ見開きに挿し絵が入っていますから、一人読みでも小学校中学年以上からOKかもしれません。
とびっきりのアイデアは、その挿し絵の“しかけ”にむあります。ページをすかして見ると、裏側のページの絵がかぶって、学校の先生がネコに変身してしまったり、本文半ばには、黒のページ見開き、青のページ、緑のページ、赤のページ、金色のページが続いたりして、視覚に訴える本作りに驚かされます。
いたずらな少年だったダールが、嬉々としながら本の構成を考えたのがよく分かるような気がします。
お話は、〈魔法のゆび〉を使える8歳の女の子が主人公です。かわいいシカを猟銃でしとめてきたお隣のグレッグさん父子3人に、魔女の女の子は〈魔法のゆび〉を思わず使ってしまいます。使ってはいけないと、自分でも戒めていたというのに…。
再びカモ撃ちに出たグレッグさんたちは、体が小さくなり、腕のかわりにカモのつばさが生えてきてしまいます。カモとしての生活を始めた3人は、いろいろな不便を経験した上、人間のように生活を始めた大きなカモに、逆に銃口でねらわれます。
イギリス南ウェールズの豊かな自然に育ったダールが、鳥の卵のコレクションをしていたことを思い出すと、“カモになった人間”や“人間になったカモ”の生き生きとした描写がうまいことにうなずけますし、ハンティングに対する気持ちもよくわかる気がします。
それをただ、直接的な「自然保護」「動物保護」を表に出したお話でなく、このような愉快な読み物にして、さり気なく織り込んでしまうあたりがまた、ダールならではの洒落っけなのだなあと感じられる一冊でした。
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