投稿元:
レビューを見る
『Kの昇天』―Kという青年が海で溺死したと手紙で知らされた語り手は、手紙の差出人に彼の死の謎について語ります...
ソログープの『光と影』と共通するものがあるみたいなことを書かれていたのを見たのがこれを読むきっかけになったと思う。どちらも美しい話です。シーンと静まり返って時間が止まったようなひんやりした夜中に読むと素敵だと思います。
投稿元:
レビューを見る
『檸檬』
高校の授業でやったけど読み直してみた。
この作品の文章、なぜか頭の中に残ります。
『闇の絵巻』
・・・病んでる。笑
投稿元:
レビューを見る
好きすぎて何にもいえない。梶井の潔癖ともいえる清廉さは、まわりまわってエロッチクといえてしまいます。
投稿元:
レビューを見る
高校の時に一度読んで、結構印象に残っていたので、最近また読み返してみました。一つの檸檬から美の追求へと発展してゆくところがすごい。
投稿元:
レビューを見る
心に残る言葉や、情景を描写する力。ビビッドな色合いが浮かんできます。こんな力を持った人が今も居るだろうか。
投稿元:
レビューを見る
「檸檬」は国語の教科書にも載っていました。
文字数の少ない文章からは
インパクトの強さと新しい風を感じます。
投稿元:
レビューを見る
前に三巻本の全集が出る作家は好きと書いたが(中島敦)、一巻本の出る作家もいい感じ。
一家に一冊置いておきたい本。
投稿元:
レビューを見る
音楽会の最中の静けさに孤独を思う「器楽的幻覚」
猫の耳を切符切りでぱちんとしたい、猫の爪を切ってしまいたい、
そう想像しながら猫の前足を瞼に乗せる「愛撫」
桜の神秘的なほどの美しさの理由を見出す「桜の樹の下には」
影の中に別の人格を見ていたK君が溺死した「Kの昇天」
崖の上から期待を持って開いた窓を見つめる「ある崖の上の感情」
新任の先生につけたあだ名が勝手に広まるのを恐れ出す「大蒜」
なかなか帰ってこない小学生の弟2人を嫌々探しに行く「夕凪橋の狸」
土手の上から眺めた雲の恐怖を覚える「蒼穹」
ほか全27編に梶井の手紙を加えた全集。
装丁:安野光雅
本人も病を患っているからか病気の人物が多く、
彼らが見る世界の美しさやそこに感じる畏れが描かれています。
あまりにも有名な「檸檬」は色彩が本当に鮮やか。
投稿元:
レビューを見る
きれーな心の人。わからない方がいいことだってきっとある。頭のいい中学生の書いたものを読んでいるような、ププッと済ませたい夢見がちな作風。このテイストで子どもが迫ってきたら、大概のものは買ってあげるでしょう(笑)。
投稿元:
レビューを見る
この「ちくま文庫」が個人全集刊行を始めた、わりあい早い時期のものだったはず。「全集全1巻」なら、私も「梶井、読んだよ」なんて言えるなあ、と、そういう浅はかな思いが過ったことを告白します。檸檬と丸善があまりにも有名で、だからなんとなく知ったような気になっていた夭折の梶井基次郎、習作や遺稿や解説も含めたものを文庫で手にすることができるなんて、と欣喜したことも憶えています。ちょうどそのころ、梶井基次郎を偏愛していて「あんた、檸檬以外を知らないの?」と言う先輩がいたので、ともかくも、との意地もあって手に入れたフシもあり。ただしそれだけではなくて、「断片の迫力」に気圧されたことは鮮明です。断片だから、「……」から唐突に始まっているものあり、「、……(欠)」で終わっているものあり。「夭折」に関して、不可抗力であれなんであれ、「そーゆーことなんだなー」と、通り一遍の感慨しか持ち得なかった当時の私が、これで打ちのめされたのでした。優劣とか是非を云々するのではなく、「全集全1巻」の、その重さ。
投稿元:
レビューを見る
表題が 有名ですが、他の編も秀逸。
屈折した文士たちの 時代を 読み解く気分。
今の時代でも キラキラ光る 硝子の破片のよう。
投稿元:
レビューを見る
春なので、久しぶりに再読。
「櫻の樹の下には」は春になって桜が咲くと、つい読みたくなってしまう作品です。
「Kの昇天」「冬の日」「ある崖上の感情」もお気に入りです。
投稿元:
レビューを見る
最初の出会いは教科書。年齢バレるかな? 別にいいけど。
まったく興味が湧かなかったことだけは憶えている。“授業のテキスト”じゃ無理もないだろう。
思い返せば、中島敦も三好達治も教科書が最初だ。教科書、意外と侮れない。
その後どういった経緯で再び梶井作品に触れることになったのか、もはや思い出すことは困難だ。新潮社版の奥付には、昭和六十二年五月二十五日 第四十一刷とあるから、えぇと…………いつ?(笑)
とにかく今から20年以上前ってことだ。そのくらいに、梶井と三好達治に、分からんけど何かハマった。
三好達治のことはここでは置いておいて(梶井と三好は同人仲間)、梶井作品については、私自身若かったこともあって、透明というか、脆くて儚げで神経質なイメージに強い憧れを抱いたものだった。
もちろん、著者が「肺病持ちの物書き」ゆえ、「サナトリウム文学」とも謂われる一連の作品群が、若輩が抱くステロタイプな幻想に合致しただけなのは解っていた。
あれから20年以上経って、あらためてちくま文庫の全集という形で梶井作品に触れてみると、さすがにそういった上辺のイメージは払拭した模様。
代わりに終始まとわりついてきたのは、「すぐそこまで来ている死=不可避な現実=絶望」を内に抱えてなお書き続けた著者は、書きながら何を思っていたのかーーというような醒めた思考だった。
『檸檬』発表時病状はかなり悪化していたらしい。『Kの昇天』『ある崖上の感情』『冬の蠅』といった、若い頃読んで好きだった作品はもちろん、新潮版未収録の習作群を読むと、「死のなかに生きる人間」の悲痛さが浮き彫りになってくる。
ぼんやりと生きながらえている身だからこそ感じる痛みか……
最後に収録されている同人仲間との手紙のやり取りが印象深い。
歳月がもたらす変化はなかなか興味深く、同じ作品を読み返してみるのも悪くないと思った。(解説で群ようこ氏がすべてを台無しにしてくれるのをのぞけばw)
投稿元:
レビューを見る
心理描写が真に迫っている感じがした。普段言葉で言い表せずにいたもやもやとした感覚が見事に表現されていてすっとした。
投稿元:
レビューを見る
読み終わったばかりの時は感動も薄かったけど、数カ月たっている今も少し覚えているということは、何かココロに残っているのかな。
でもはやはり、私にはすっきりしないものが多かったような気がする...