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「現代日本の開化」「私の個人主義」などを収録。「自己本位」など漱石のベースとなる考えがたくさん詰まっています。
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漱石の講演会や新聞での評論、日記や書簡などが収められている本。漱石の考えを直接的に知るには最良の本だと思う。明治時代の日本や日本人について語っている内容は第二の明治時代と呼ばれるグローバル化の中にいる現在の日本や日本人にも悉く通じている。ますます漱石は偉大だなと思うようになった。
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この本に収録されている講演って、本当は漱石のべらんめえ口調で語られたのでしょうね。
録音機材が当時に有ればなあ。
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何かを創り出そうともがいている人、
真似ばかりしてしまうと悩んでいる人(自分です)に
『模倣と…』をそれとなくお勧めしたい
背景のないオリジナルなんてもろいもんだなとひしひし思う
読後、結構へこみつつも夏目節に励まされた…気がする
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夏目漱石の公演記録、日記、書簡などをまとめた本。教師をしていた漱石が当時の教え子達に向けて書いた「愚見数則」は学生のうちに一度は読んでおきたい。甘えた人生観に鞭をいれられるようです。月に一度は読み返したくなります。
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「吾輩は猫である」「坊ちゃん」「こころ」
どれもこれも夏目漱石の代表作であるけれど、
まったくぴんとこない。
「智(ち)に働けば角(かど)が立つ。
情(じょう)に棹(さお)させば流される。
意地を通(とお)せば窮屈(きゅうくつ)だ。
とかくに人の世は住みにくい。」
この文をよんですこし漱石がすきになる。
「私の個人主義」
「現代日本の開化」
講演を文章化したものを読んで、漱石の良さがはじめてわかった。
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中学校の読書感想文のテーマに「ぼっちゃん」が指定されて以来、小説家としての夏目漱石って嫌いでたまらないのですが、やっぱり近代日本を代表するインテリであることには間違いありません。
そのことを確信してしまった本がこれ。
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マードック先生の『日本史』:
”マードック先生のわれら日本人に対する態度はあたかも動物学者が突然青く変化した虫に対すると同様の驚嘆(きょうたん)である。維新前は殆んど欧洲の十四世紀頃のカルチュアーにしか達しなかった国民が、急に過去五十年間において、二十世紀の西洋と比較すべき程度に発展したのを不思議がるのである。”
日本の進歩の成果を西洋諸国に評価してもらえるかどうかを問う夏目漱石、勝手に日本の未来を悲観するマードック先生、二人とも大まかなところの予想はあたってるきがする。これは私が勝手に日本を憂いてるから。
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母校での講義を文字に直したもののようです。
以下は、中の「模倣と独立」のかんそうです。
そのひとは、人間全体を代表しているのと同時に、そのひと一人を代表している。
そこから発展して、
人には、人の真似をしたいという本能(「流行に赴く」と表現されてます。単に圧迫されて嫌々従うのではないということ)と、独立自尊の傾向を併せ持つ。
そういうひとがいる、という意味じゃなくて、一人の人間の中にその両者が存在している。
ということが面白おかしく漱石節で書かれてます。
この人、話し言葉になると余計にリズム感の良さが際立つ気がする。
下駄禁止の話、真宗の親鸞、文展、イブセンの「人形の家」のノラ、のっぺりした紳士、学生のいたずら、例をいっぱい挙げて、「模倣と独立」がどっちも大事だと主張しています。
この話を読んで、カントが似たようなことを言ってたはずと思って本棚をあさり、
「世界市民という視点からみた普遍史の理念」という論文の中にみつけました。
カントが書いてたのは、
人間には、集まって社会を形成しようとする欲求と、
孤立して全てを意のままに処分したいという反社交的な欲求が同時に存在している。
その対立関係が、最終的に秩序を生み出していく。人類を発展させていく。
ということでした。
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夏目漱石は森鴎外と同様に、西洋文明を丸々コピーすることには反対していた知識人であった。今や、西洋的考えを否定することはできなくなってしまった。それほど、日本の中に多くの西洋物が存在する。厳密に言えば、日本は、純日本的なものと中国・朝鮮などの東洋諸国の文化が日本式になったいわばハーフの文化が存在していた中に、明治になって外科手術的に西洋文明を上書きしてしまったと言える。
今まではそうやって外のものを自分たちの良いように上手く吸収して日本になじませる(言わば、守・破・離のような)形式で、中国や朝鮮などの文化を自分たちのものとしてきた。しかし、西洋文明は今、十分に消化されているのか?そもそも、西洋的な考えは東洋とは相容れない部分が多い。例えば、排中律や二項対立。これらは仏教的な考えには存在することが難しい概念である。排中律でどうやって生=死を証明しろ、というのか。
西洋がダメで、東洋が素晴らしい、という議論をしたいのではない。それでは、Binarismにおける第1項と第2項との立場が入れ替わっただけでしかない(「美が望まれるべきで、醜は避けられるべき」が、「醜が望まれるべきで、美は避けられるべき」に変わったところで、根本的なBinarismの構造は変わらない。Parallaxでしかない)。
今は、そこの所を再考するべきなのかもしれない。西洋がどうだ、とか東洋がどうではなく、日本にとって、どう西洋・東洋を吸収すればいいのか?を考えるべきなのではないか。
だから巷に出ている、勝間和代のような西洋に傾きすぎた人間は、ちょっと危険だと思う。そして、自分の親が子どもだった頃やもっと前の頃(「古き良き日本」とでも呼べばいいのか?)の考え(伝統?)を日常的に触れるのが難しいのはさらに怖い、ように思う。
抽象的であまり現実味がないが、こんなことを考えさせるような本だった。
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小説家として好きな漱石が西洋文明について述べた一冊。高校生のときに読んで感銘を受けてしまった。「個人主義」とな何なのか。小説にはユーモアがありながら、進んだ思想の持ち主でもあったことがうかがえる一冊。
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烏兎の庭 第一部 書評 5.27.04
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto01/yoko/kisoy.html
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夏目漱石の講演や評論文をまとめた本。
『私の個人主義』は非常に論理的で明快。論理的思考の訓練にもなります。100年近く前の文章であるということを差し引いても読みやすく、頭に残りやすい論旨である。他人の個性を尊重しなければ本当の個人主義にはならないというのは今も続く命題である。国家が安定しているときは国家主義よりも個人主義に重きが置かれるという主張にも納得。
他の文も読みたい。
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今春高校生になる娘への課題で出たので読んでみた。
「私の個人主義」は、これから様々なことを学び
リーダーシップをとっていく人たちにとって
大切なことが解りやすく書かれているので
高校生にぜひ読んでもらいたい。
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明治文学上もっとも西洋化、近代化された作家の一人である夏目漱石。
本社に収録されている中では著名な「私の個人主義」のほか、「断片」も非常に印象に残った。
人間「夏目漱石」とは、どのような人柄であったのだろう。
科学的かつ思想的そして明晰であることが本書を読むとよくわかる。
漱石の場合、小説だけでなく随筆や本書のような講演を読んでみるのも大変参考になる。