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心理学と錬金術 1 みんなのレビュー

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4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本

- 潜在意識のひとつの象徴としての錬金術 -

2008/06/24 01:30

5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:レム - この投稿者のレビュー一覧を見る

   
   私たちは、無意識という言葉を普通に使っているが、この無意識という「意識」が人間の心の奥底に「存在する」ことを発見したのは精神分析学者のフロイト(Sigmund Freud、1956-1939)で、これは彼の大きな業績のひとつに挙げられている。  そして本書の著者ユング(Carl Gustav Jung、1985-1961)はフロイトの薫陶を受けた弟子の一人であった。  そのユングが無意識の潜む人間の深層心理へと分け入って行くひとつの旅が、この2巻にわたるこの大著 『心理学と錬金術』 だ。
      
   錬金術が化学、特に金属化学の発展に多大な貢献をしたことは良く知られている。  ユングはこれを精神医学の立場から、錬金術に関連する宗教、文化、芸術、歴史的な事例や図版を多数引用しつつ、またその一部はフロイトが嫌ったオカルティズムに富んだ内容も多分に含んでいるのだが、様々な角度から人間の「潜在意識」を分析していく。  

   錬金術の行為とは、石(ラピス)の中に救いを待ち望む物質(つまりは何らかの元素)を操ってさまざまな生命の霊薬を得ることである。  すなわち、石に象徴されているのは宇宙の魂であり、拘束された魂のために救済を施す努力、これが錬金術の本質だという。  ユングはこの救済を「人効的効力」と呼び、錬金術師たちはこの効果に最大の力点を置いていたということが述べられている。  ユングの分析は、このような「人効的効力」を求めて人間が為す業 「錬金術」 にキリストによる救済のアナロジーをも見ている。  つまり、本書のタイトルにある心理学と錬金術は、その領域が一方は精神世界で一方は物質世界であり、一見全く対象が別であるように見えるのだが、本来人間は神たり得ないにもかかわらず、人間の心の本質である無意識の構造下には神であろうとする越権行為としての願望が錬金術に象徴されるという解釈である。
   
   本来であれば救済という行いは神の領分であるはずなのだが、錬金術という手段を用いることで、神に代わって人間がその行為の一部を行うことができるとする考え方だ。  このため、錬金術は聖ではなく俗、あるいは穢れた行為として意識されており、事実、錬金術師たちは神に対する罪悪感をもって秘儀のごとくその作業にあたった。  これは今昔物語の中にも類似が認められ、平安時代の日本で幻術を会得しようとした人々も、まず神仏への信仰を捨てることから修行を始めたことが描かれている。
   
   さて、ユングはフロイトから心底信頼され、学問の後継者とまで目されていた。  しかし、無意識などの学問上の解釈をめぐってついに二人は決別してしまい、師であるフロイトは深く傷つく。  本書が上梓されたのは1944年で、かつての師であるフロイトの没後であった。
   
   ところで、現在この2冊の著書は一般の書店でなかなか購入もできないようであるが、某所で廃棄寸前の運命にあったところを家内が救い出してきたものを一気に読んだものである。  潜在意識の発露が顕著に現れるのは、どちらかというと俗世において、権力者や狂信者が無謀な行為に走った時であるように思えるし、一方では、神聖な行為というものはおそらくなかなか私たちには見えてこないのかもしれないのだが、広く人類の歴史を振り返り、またこれからの行為を思索する時、ユングのような精神・心理学の大家の著作に対する社会の再評価を願うところである。  
   

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2011/04/30 14:44

投稿元:ブクログ

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2011/09/02 15:44

投稿元:ブクログ

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2015/09/14 00:57

投稿元:ブクログ

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