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紙の本

ハテ恐ろしき執念ぢゃなぁ(続)

2007/02/01 18:59

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:松井高志 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 三遊亭圓朝の傑作怪談である。通常、落語や講談でよく抜き読み(長篇のため全編通しでは時間的制約があって上演できず、一部分を抜き出して高座にかけるが、それを講談の場合ならばこう呼ぶ)されるのは、発端部分にあたる「豊志賀の死」である。若い男弟子の新吉に執着する富本の師匠・豊志賀は、嫉妬と猜疑に苛まれて顔に腫れ物ができる奇病に罹る。新吉と豊志賀の間には、かれらの親の代からの因縁がまつわりついている。醜くなった大年増を振り捨てて逃亡する新吉を、豊志賀の怨念はどこまでも追ってくる。
 新吉は逃れる先々で、関わる人々との間に次々と惨劇を繰り広げていく。わけも分からず命を奪われていく人々はいい迷惑である。後半ではこの惨劇に巻き込まれた人々が酷薄な運命に抗して生きようとするけなげな姿が描かれる(「牡丹燈籠」のように、後半は仇討話であって怪談味は薄い。怪談としては「乳房榎」がやはり凄い)。どこかに伏線の張りっぱなしや、ほったらかしの登場人物がないだろうか、と勘ぐってみたが、そこは大圓朝だけにどうやらぬかりはないようである。近世人の人生観や倫理観を背後で支えた因果応報の世界が濃いタッチで描かれ、もとい語られる。
 笑えるものばかりが優れた落語ではない。こうした巧緻なストーリーテリングも落語の重要な意義なんである。物語自体より、ぞくぞくしながら圓朝の語りに聞き入った明治の寄席のお客たちの心理に、親近感と羨みとを感ずる。

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