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つきあい方の科学 バクテリアから国際関係まで みんなのレビュー
- ロバート・アクセルロッド (著), 松田 裕之 (訳)
- 税込価格:2,420円(22pt)
- 出版社:CBS出版
- 発行年月:1987.2
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紙の本
人と付き合う法を社会科学的に考察
2016/02/05 09:45
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投稿者:塩漬屋稼業 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、囚人のジレンマの図式に基づいて、どのような戦略が、人間関係において巧く立ち回れるのかを調べ、そこから現実にどのような方策が協調関係を引き出すのに有効か、なんてことを考察している。
本書によれば、一回きり程度のつき合いなら「裏切り」がお得。つき合いが将来的にも見込まれれば見込まれるほど、上品で寛大な戦略が有効。いたって当り前といえば当り前なんですが。
ここで紹介されているモデルでいえば「しっぺ返し」戦略が有効な戦略ということになる。やられたら、その分だけやり返す。やり返し過ぎると報復合戦になるし、やり返さないと相手を増長させてしまうからだ。
そこで効果的な選択として、
「羨望は禁物」(つまり目先の利害だけ見てゼロサム的に考えるのではなく、長期的に広い視野で考えよということ)
「自分の方から先に裏切らないこと」
「協調にしろ裏切りにしろそっくり相手にお返しすること」
「策に溺れないこと」(つまり考え過ぎても上手くいかない場合もあるし、単純な方がいいこともあると)
そして協調関係を育てるための方策としては、
「つき合う状況を変える」(これが簡単に出来ないから、困るのにね)
「将来の重みを増やすこと」
「点数表の変更」(これはゲームの場合、現実には視点や価値観の変更ということか)
「みんなに他人の幸せを気にかけるように諭すこと」(諭してわかってくれる相手ならハナから揉めないよねぇ)
「互恵主義を教える」
「相手を正確に識別すること」
第一次大戦時、塹壕戦において向き合う双方が互いに牽制しあって、殺しも殺されもしない状況が出来したことがあるという。結局は、上層部による急襲作戦によりこの均衡は破綻したそうだが。
「協調するより他に活路が見出せない絶望的状況では、協調関係は自然に発生し安定する」という。そんな絶望的な状況には追い込まれたくないものですね。ちなみに本書を読んでいた時分、評者は職場において報復合戦の真っ只中でした。
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