紙の本
宇宙エレベータの建造
2001/03/31 23:27
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投稿者:トリフィド - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界一長い橋を作った男が、さらに長い橋の建造に挑む。それは地上と静止軌道を結ぶ軌道エレベータ。全長10万キロを越える、地上と宇宙を結ぶ架け橋である。
というわけで、巨匠クラークの“建築SF”である。
軌道エレベータを建造するという地味なテーマなのだが、積み重ねられるエピソードも地味。過激な紛争も、驚くべき謎の解明もなし。軌道エレベータの建築や、その建設地の古代時代の挿話、社会に変革をもたらした外宇宙からの来訪者のことが、淡々と描かれる。だがその地味な話の集積が、なんと深い味わいと余韻を残すことか。
こういうところが、さすがベテラン、クラークならではだ。
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クラークの傑作、ということらしいが、これは傑作ですか?
宇宙のランデヴーもそうだけど、お上品なクラークは腹八分目主義?
軌道エレベーターの建設中に主人公が事故で死んでしまうと、物語は終り、エピローグでは完成後の遠い未来へ。
なんかこう、建築中の苦労とか、こんな感じで試練を乗り越えましたとか、現場作業員の決死の対応がエレベーター崩壊の危機救った話とか、あるんじゃないの?ないの?
熱く込み上げるものがないからプロジェクトXでも取上げようがないよね。
建設決定までの苦労は書かれているから、クラークは上流工程の人なんだろう。基本設計さえバッチリなら後は力仕事でしょ、なのかな?イギリス人だね。
ヒューゴー、ネビュラのダブルクラウンなのか。投票した奴は誰よ?断筆宣言に騙されたのか?みんな。
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大規模建築小説 そして紛れもないSF
愛してやまないクラークが、一旦絶筆をしたときの最後の作品になるはずだった作品。
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「宇宙エレベータ」静止軌道からワイヤーを下ろして地上と繋いでつくる宇宙行きエレベータ。今現実に実現を本気で検討されているタイムリーな話。
技術者ってすげぇ!
理系ってすげぇ!
という、なんともプロジェクトXなお話。
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宇宙エレベーターって夢がある以上に、エネルギーだとかのコスト面から実現されるべきなんだな。終盤の技術者かっけー展開よりも宗教との対立にもっと重点を置いて欲しかった。
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宇宙エレベーターを用いた宇宙進出の話だと思っていたが、実際は宇宙エレベーターの建設とそれに関係する人間模様を描いたものだった。その建設にとって最も重要な材料である超繊維は、現実世界で少し前から話題となっているカーボンナノチューブと似た性質を持つものである。つまり、現実世界でも研究が更に進めば、宇宙エレベーターの実現も決して夢物語ではないところまで来ている。そんな今だからこそ、本書を一度読んでみるのもいいのではないだろうか。