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図書館で借りた。
当時(昭和一桁)の生業について、色々な文が集められている。
・勤続者とその略歴(大阪市社会部):職業紹介所を介して就職して5年以上勤続した人たちが自分で書いた略歴
・続サラリーマン物語
・カメラ社会相:色々な職業の人を写真に撮り、話を聞いている。
・大東京物語 第3篇 経済生活:東京についてデータと取材から書いている
・大正初期の大阪の著名商工業
・大阪市内主要問屋街
サラリーマン物語は当時のサラリーマンがどのような生活をしていたのかが生き生きと書かれている。カフェや昼飯の様子もあっておもしろい。著者は前田一。
大東京物語は月給取りや小売りの収入、生活費の内訳などが書いてある。女性の社会進出、日雇いの悲惨さなど今でも同じようなことを言っている気がした。
昭和の初めの頃にあった不況で、サラリーマンとして働いている人には失業の恐怖から上司への迎合気質があったと書かれていた。その一方割りとドライに転職も繰り返していたようだった。
ある会社への入社希望者のうち15%だけが採用されたというデータもあった。
労働基準法のような法による保護がない状況だと、失業の重みは今よりもあったのかもしれない。
サラリーマンについての文献案内も載っていた。