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テニスを人生の一部としている男の話。上巻は吉野愛子との恋愛のはじめから終わりまでが書いてある。
失恋した後に読むのがいいかも。なんか、みんなおんなじ様な事してんなーって思わせてくれる一冊。全編にちりばめられたテニスの表現と村上龍的な格言みたいなものが好き。
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これだけ好き放題しておいて「憂鬱」なのか〜〜って思わず怒りたくなるような羨ましい主人公です。上下巻の表紙を併せると1つの絵のようになってるのが面白いです。
結末のピンチをどう切り抜けるんだろうか・・・
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下巻も読みました。
上巻に引き続き、どうしようもなく最低なテニスボーイの恋愛が描かれています。
でも、どうしようもなく「おもしろい」です。
少なくとも僕は。
保坂和志じゃないけど、ある意味究極の「リアリズム小説」なんじゃないかな。
上巻のレビューにも書いたけれど、この小説に描かれている「恋愛」は、全く美しくありません。全く綺麗じゃありません。
妻子持ちのテニスボーイは、一人目の愛人である吉野さんにはまりまくって、やることしか考えていません。でも、その愛人がいる事によって、逆に『愛人のために』仕事に精を出すようになり、仕事も上手く行き始めます。
嗚呼、何て皮肉。
そしてはまりまくってた吉野さんにポイされて下巻で新しい女にまたはまります。
その切り替えっぷりが笑えるくらいすさまじく、でもリアルです。
上巻のレビューにも書いたけれど、男なんて「そんなもん」です。
オレンジデイズ的で無垢な男子なんて逆に気持ち悪いです。
この小説は世の中に蔓延っている全ての恋愛小説に対するアンチテーゼなのです。
てかこんな小説書いて自分で恥ずかしくないのかな、村上龍。
「なにこの、ファッキンシットな小説!!!!」
と、床に叩きつけることなく、読破できる女子がいたならば、僕はその子に感想を聞きたい。
マジで。
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他人にはなんにもしてあげられないし、他人からなにかをしてもらえると期待してもいけない。ただ、輝いている自分を見せ続けることだけが、他人にしてやれること。と言いながらも憂鬱なテニスボーイ。キラキラともやもやが一緒にある小説。最低で贅沢で、リアルな主人公。
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よしもとばなな氏が、以前エッセイで二日酔いのベッドの中でゲロを吐きながらも夢中で読んだと言っていたので、気になって読んでみた。
おもしろい。
全然、嘘くさくない!
テニスボーイは悪くない!悪くない!悪くない!
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土地成金で、仕事を片手間でテニスをこよなく愛するテニスボーイが、
不倫にのめりこみながらも家庭を捨てられずに悶々と過ごす日々を描いたナンパなお話。
俺もテニスボーイ見たいになりたいけど、なりたくないなぁ。
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僕のバイブルです。でもあんまり読みすぎちゃうと自分まですごくなった気になってしまうから、本当に落ち込んだときにしか読めない。
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03080
80年代半ばにブルータスに連載されていたせいか、スポーツとセックスに戯れる登場人物たちの言動やベンツを乗りまわす青年実業家、サイパンといった道具立てはいかにもオシャレだが、それだけで終わらないアクの強さが著者の持ち味か。主人公の抱える快楽と絶望の振幅の激しさは、そのままテニスというスポーツを体現しているようでもある。変貌する郊外、隠蔽された貧しさの記憶などの隠しテーマもけっこう重要。
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消えかけていたテニス熱を再燃させてくれた最高の小説。シャンペンが輝ける時間の象徴だとすれば、シャンペン以外は死と同じなのだ。満足度7
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自分が世界一悩み多い人間で、周り皆が幸せいっぱいに見えるその心境、とても良く分かります。誰にだってそういう経験はあるし、少し俯瞰して見ると、自分だけが特別じゃないってこと、すぐに分かるんですけどね。でもその瞬間・場面においての憂鬱たるや、自分を悲劇の主人公たらしめるのに十分なインパクトがあるんですよね、当事者的には。そのあたりの人情の機微が、上手い具合に物語化されていたと思います。
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ダイナピンクが年をまたいでピンクファイブにバトンタッチしたように
テニスボーイも新しい女と出会った
テニスボーイは自らのイージーモードな人生が
いつか破綻することを恐れている
ラクな方へ流れていったら、たまたま全て上手くいったにすぎない
テニスボーイ自身、そのことを誰よりもわかっている
そうであるからこそ、彼は新しい愛人を腕に抱きながら
その美しさのなかに危うさを見いだそうとするのだし
また、テニスコートにおいても
何かに呪縛されたかのような、ベッチナ・ヤマグチのスタイルに対して
不当なまでの辛辣さを隠さない
その思想がやがて
自らの力ですべてをつかもうとする欲望になり
あるいは、ファシズムの幻想へと彼を導いていくのだろうか