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原題は Freezing Point 。
デンマークの作家アーナス・ボーデルセンの
ディストピアSF小説、但し、英語版からの重訳。
1970年代前半に透視された、
近未来の医療と人間の生き方について。
1973年、作家にアイディアを提供し、アドバイスする
編集者ブルーノ32歳は、腫瘍の切除手術を受けたが、
担当のアカーマン医師から癌だと宣告され、
根治のためにコールドスリープで
時間を稼ぐのはどうかと提案された。
ブルーノはパーティで知り合ったバレリーナの
ジェニーと関係を深めたが、
冷凍睡眠を受け入れることになるとは
打ち明けられなかった。
目覚めたときは1995年、病気は治っていたが、
臓器の移植など、望まない処置まで施されていた――。
同作家の叙述トリックミステリ『殺人にいたる病』を
https://booklog.jp/users/fukagawanatsumi/archives/1/4042542026
先に読んでいたので、
主人公が小説のアイディアを捻り出しては
弄んでいるせいもあって、
こちらもそういう展開になるのか、
どこで騙されるだろうかと期待していたのだが、
特に何も起きなかったので却ってビックリした(笑)!
パーツの交換や薬剤の投与で、
肉体を若い状態に保つのは可能でも、
脳だけは取り換えが利かず、
外見が若者のままでもどんどん耄碌していくという、
さもありなん……な物語。
現実の2022年は作者が昔、想像したほど
無味乾燥な世の中ではないだろうけれど、
別の様々な問題が山積しているのは間違いなさそうだ。