原題:A Prayer for the Ship
ダグラス・リーマンの処女作であり、日本では2番目に翻訳出版された。
掃海艇同様、あまり取り上げられない魚雷艇を取り上げた作品。小型艇ならではの厳しさを見ることができる。
初期の作品ということで最近の作品に比べて荒削りな面も見られるが、リーマン作品の原型は十分に見ることができる。艇長のロイスと先任兵曹のレイクスの関係が艦長とコクスンのようであり、アレグザンダー・ケント名義の著作、 ボライソーシリーズを連想する。この頃の著作には、後年の「どろどろしたもの」がないので、(戦争を扱ったこの手の小説にしては)読んでいる最中も読後も爽やか。ついでにいえば、恋愛関係も爽やか(笑)
パシフィカ(1980)、西武タイム(1986)、徳間文庫(1988)から出ていた。