紙の本
古さを感じさせない良い本
2021/05/25 15:03
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投稿者:M.F - この投稿者のレビュー一覧を見る
決して、最近出版された本ではない。文庫化がされたのさえ、1980年代のこと。
しかし、今読んでも、あまり古さを感じさせない、良い本だと思う。
こういう本が出版され続けているのは、いいことだと思う。
もともとは、中学生程度の子供を対象に書かれたようなのだが、大人が読んでも普通に面白く、知的刺激を受ける部分があると思う。(レビューを書いている私自身も大人である。)
中学生向けに書かれた本だというと、大人にとっては当たり前の常識・良識を、子供相手に説教するといったイメージを持つ方も、いらっしゃるかもしれない。
だが、そういう類いの本とは違うと、私は感じている。
どちらかというと、大人の中でも意見がわかれるような、微妙で複雑な問題、中学生には難しいと思われるような事柄に関しても、躊躇なく踏み込んで検討しているような本なので、大人が読んでも十分面白く読めると思う。
著者の考えに賛成出来る・出来ないは別として、ある種の知的刺激を受けながら、面白く読み得ると思う。
著者の森先生は、本当の意味で教養のある方だったと感じる。
逆に言うならば、わかりやすいだけの一面的な結論を、性急に求めるような趣向の方には、つまらないかもしれない。
紙の本
なかなか難解です
2015/10/30 09:19
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投稿者:ミカちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
中学生から高校生ぐらいの子どもを対象に書かれているように思いますが、書かれていることの本質を理解するのはなかなか難しいように感じます。
また、現代の子どもたちが生きる世界とは自ずと隔たりがあるように感じます。
著者の、森 毅さんの体験談も多く書かれていますが、現代の子どもにどれだけ理解できるかな?と感じました。時代背景が現代と大きく異なることと、破天荒とはいえやはり森さんは優秀な学生だったということです。
ですので、思春期のお子さんが何かに迷っているときなどに読む本としてはあまりおすすめしません。曲解して自分に都合の良い部分だけを参考にするかも…
数学に関して書かれているところは心に留めておきたい言葉が満載です。「数学は解いている間が楽しくて、解けてしまったらもう楽しくない。」というのは凡人にもなんとなく理解できます。こういう部分はそこだけを読んできかせれば小学生でも「ふーん、そうか。」と思えるでしょう。ちょっと凡人とは違う角度で物事を見る、という良い経験にもなるでしょう。
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最近、入浴しながら缶チューハイ飲みつつ読書をしておりまして、
これも湯船で拝読しました。中学生向けだけあって、文章が易しいし、
誰が読んでもよろしいのでは?森毅、ダイスキなのです。
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中学か高校の教科書に、第1章のファシズムの話が載っていたのがきっかけで購入。読みやすい内容。10代の頃バイブルでした。
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よあった!!
人生は結論の出せないことでいっぱい
確かにー
じゃああなたも肩の力を抜いて!
さぁ
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数学者・評論家であり、京都大学名誉教授である著者が小中学生にわかる言葉で書いた人生論で、
「肩の力を抜いて行こうよ」と言ってくれるような、なんだか優しい感じの本です。
「なぜ勉強するの?」というような難問にも自身の体験をふまえながら答えてくれます。
太平洋戦争時に中学生だったという著者から見た戦争・戦後民主主義のとらえ方など、
大人の読み物としても面白いと思います。
ちなみに過去の中学入試においても出題されました。
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既成の概念にとらわれない考え方が好きだ。大学でも研究室を選ぶ際、そういった考え方を持っておられる先生のもとへ入った。この本はそんなことを書いてくれている。著者の森毅先生は先月お亡くなりになられたが、同じ京都にいる分、お会いしていればと非常に悔やまれる。
世の中には同じ人間など一人もいない。だからこそ面白いのであり、色々な考え方があってよい、色々な考え方でぶつかってもよい、そうした中で様々な発見があるのだと、改めて実感させていただいた。1988年の本であるが、今読んでも「なるほどな」と思うことができる。
最近、「こうでなければならない」などと完璧を目指す傾向が多いが、そういった若者たちや、大人たち、あらゆる世代に読んでもらいたい本である。
いろんな人間がいるのだから間違いだっていろいろである。
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非常に元気付けられた。
人間関係のわだかまりや対立は、そのまま不安定な状態で持続させても構わないんだ、ということ。
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語り口は小中学生向けですが、内容は何歳になっても心に響くところがあります。
いまさらながら、色々考えさせられ、心がとても楽になりました。
どうか学生のうちに読んで欲しい。
大人になっても、読んでみて欲しい。
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中学受験時代にお目にかかっていたが、意味が全くわからなかった本。今読むと、目からウロコ。主に中学生に向けて発信されているメッセージであるが、おとなも考えさせられます。僕の気持ちをかなり楽にさせてくれた本です。
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数学者の森毅が1981年に、中学生向けに53歳で書いた本だ。文庫化されてから読んだので学生時代の終わりごろに初読した記憶がある。大人になってずいぶんになるが、自分の生き方に大きな影響を与えた一冊であったことを再認識した。自分とものの考え方が違う者を友人にしろとか、個性的であろうと努める必要は無いとか、誤りの中からこそ真理が見つかるのだから間違ったことを言うのを恐れるなとか、ズッコケのままドロップインする道を選ぶとか、楽観派の方が運がつきやすいとか…、ありのまま楽しみながら生きて行けば良いと教えてくれる。本当にその通りだと思う。
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若い読者に対して "そのままでいいんだ" , "人生は自分が主人公なのだから,自分に対しては誠実であれ" という事を伝えてくれる本
他には戦争,いじめ,自殺,自由と責任について
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知らずに読んで、易しいなと思ったら、30年以上前の、中学生の“きみ”に向けて書かれた本。中学生の頃の自分と、現在の自分、一冊のなかで時代を越えるように、両方に響いてきた。さらには、中学生の子を持つ親になった、将来の自分(妄想)にまで語りかけてくるような感覚。
自分が大人になるにつれ持ってきた価値観と重なり、共感する部分が多かった。タイトルの時点で予感があったから手にとったのだけど。
テーマは自由、暴力、自殺、豊かさ、男女についてなど、結構深いところまで及ぶ。
中学生の頃の自分が読んだとしても、おそらく消化不良。
今読んでこそ、心が軽くなる。
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良い意味で拘りがなくなる本です。
中学生向けに書かれている本ですが、大人になって読んでも学ぶことがたくさんあります。
私も中学生のときにこの本に出会ってたらまた違った人生だっただろうなぁと感じたりもしました。
大人になった今、世間を知り、現実を知ります。
でもそれって本当に世間なの?現実なの?と自分の思考を改めさせてくれます。
人それぞれ、これが世の中だと思って生きていますが、実はそうではなくただの思い込みだったり…。
そういうことを気づかせてくれました。
そして人にとって何が大事なのかというのも書いてあり、表面ばかりを取り繕おうと必死になっていた自分に反省しました。
そういう、肩書きだとか、過去に自分がやってきた栄光とかそういうことに拘る人、それで人を判断する人がいますが、それよりももっと人間として大事なことを学びました。
誰でも、自分の生きてきた人生、捨てたもんじゃないと納得させられました。
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森毅(つよし)、敬愛の意を込めて呼び捨てにさせていただきます。まずは出会いから。高校3年生のとき、友人が「数学受験術指南」(中公新書いまは文庫で)を「おもしろいから読んでみて」と言って貸してくれました。たしかにおもしろい。2人で、大学にもぐりで講義を聞きに行きました。京都大学の教養部。先の授業はアウシュビッツか何かの話をしていて、大教室は満員。講義が終了するといっせいに学生が出て行きました。数名、寝たままの学生がいましたが。次の講義はいよいよ森毅。期待に胸は高鳴ります。学生があまりやってこないため、私たちは中に入るのをためらっていました。時間になっても森毅はやってこない。学生が数名いるだけ。ひょっとして今日は休講? と思っていたら、くわえタバコにジーパン姿でやってきました。生(なま)森毅。衝撃的でしたね。結局、中には入れず、外から少し様子だけ見て帰ってきました。それ以来のファンです。出る本、出る本飽きずに買って読んでいました。森毅は数学の先生ですからもちろん数学の専門書も書いています。が、それよりも、人生論、教育論、新聞連載の軽いエッセイなどを多く書かれています。私が今持っている、人生観、教育観のかなりの部分が森毅によって形成されたと言っても過言ではありません。その後、次回以降紹介する大村はま先生、林竹二先生、それから齋藤孝さんなどの教育観にも影響を受けていますが、ちょっとしんどくなったら森毅、いつも帰って来る場所になってくれています。森毅は大学定年退官後、テレビのコメンテーターとしてよく顔を見るようになりました。そのときはちゃんとネクタイを締めているんだ。へそ曲がりなんだなあ。講演会にも何度も足を運びました。そして、いまから十数年前。当時私が所属していた子育ての勉強会で、森毅を呼んで講演会を開催することになりました。まあ、ヘビースモーカーで、講演前に一服しながら、「タバコで肺がんになるとかいうけど、タバコやめて受けるストレスの方が体に悪いわ」と言っているのが印象的でした。終了後、居酒屋(お酒は一滴も飲まれませんが)での打ち上げで、私は森毅の向かいでお話を聞く機会に恵まれました。「人生20年説」の第2ステージが終わりかけだった私は、「次のステージはどんなふうに生きていけばいいんでしょうね」などと聞いていたら、「最近は、人生平方(2乗)説に変えたんや」と言っていました。つまり、生まれてから1歳まで、次は4歳まで、9歳まで、16歳まで、25歳まで、36歳まで、49歳まで、64歳まで・・・と区切ってみる。たしかに、26から36までは結婚、出産、37から49は子育てとか、わりとうまく合うのです。64歳までは働いて、その後は・・・と。その後、本の出版数も減り、テレビで見かける機会も減っていたのですが、あるとき、台所で料理中にあやまって熱湯を浴び大やけど、入院、その後、良くならずに亡くなられたということを知りました。まあ、らしいと言えば言えなくもないですが、残念なことでした。
さて、本書について。最初どこに掲載されたかの記載が見当たらないのですが、1980年ころ、おそらく何らかの雑誌に、中学生向けに書かれたのだと思います。いま読み返しても、時代の古さは感���ません。「半分おとな」の中学生に対して、「もしもきみが、なんでも親に話し、なんでも先生に話しているのなら、少しは自分の心のなかだけにとどめることを残し、少しは自分たちの世界でものごとを処理することを試みるよう、ぼくはすすめる。もしもきみが、親にも先生にも心をとざし、まったく信用していないのなら、同じ人間同士のことだし、少しは心を開いてみることを、ぼくはすすめる。」
次に、森毅の考え方の中でも、私が最も好きなものの1つで授業中にもよく紹介しているもの。「なぜ勉強するの」という節から。「もちろん、まったく手がつかないのでは、おもしろくもないが、案外に、多少はわからないでも、うまく頭のなかに飼っておくと、そのうちに馴れてくれて、わかってきたりする。その、だんだん少しずつ、わかりかけというのも、オツなものだ。そのためには、それを飼っておく、頭の牧場がゆたかでなければならない。本当のところは、数学の力というのは、いろいろとわかったことをためこむより、わからないのを飼っておける、その牧場のゆたかさのほうにあるのかもしれない。」
受験生へのアドバイスとして。「テストの問題が難しいときは、シメタ、これはほかの奴にできないぞ、と思うとよい。そして、テストの問題が易しいときは、シメタ、これは自分にできるぞ、と思うことだ。まあ、これは別に、受験に限ったことではないのであって、ものごとにはたいてい、よい面と悪い面がある。なるべくよい面に目を向けていると、楽観的になれる。いつでも悪い面を見ていると悲観的になる。そして、楽観派のほうに、運がつきやすい。」
最後に、人生論として。「・・・現在の苦労が将来の安楽のためだなどとは、絶対に思ってほしくない。・・・もちろん、人生には多少は苦しいこともあろうから、それはそれなりにやってよい。山を登るのに、汗をかくこともあろう。しかしぼくは、それを山頂をめざすとばかり思うより、登り道のあれこれを、汗を流しながら楽しむ方を好む。山頂の白雲に思いをはせることはあっても、それは夢でいろどりをそえるためで、やはり現在の登り道にこそ、楽しみはある。」
終わりに、「これから、きみたち自身について、なにを考えていくかは、きみたちの問題である。それには、答えはないだろう。でも、それが、とても大事な問題なんだ。」
私は高校のとき1年間留学したため1つ下の学年で卒業しました。それで高3のときはあまり友だちがいませんでした。そんな中、数少ない友だちの1人I君が、私と森毅を引き合わせてくれました。I君とは、外部受験仲間としてもよく時間を共にしました。現在音信不通。いつか会って、森毅とのこと、お礼を言いたいと思っています。本人は覚えていないかもしれませんが。みなさんにこうして森毅を紹介しているのを「恩送り(ペイイットフォワード)」と考えてもいいのかもしれませんね。
ほかに、ちくま文庫からは「エエカゲンが面白い」「ひとりで渡ればあぶなくない」、ちくまプリマーブックスから「悩んでなんぼの青春よ」などがあります。タイトル見ただけで、気持ちが楽になりますね。