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紙の本

幕末動乱の京都。ほこり高く生きた市井の人びとの人情と気骨。

2000/07/28 19:18

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:後藤竜二 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 短編七編がおさめられている。

『筆』  冬吉は筆職人の家に奉公して三年。はじめて自分の手で作った筆はたちまち親方にへし折られ、かっとなって飛び出してはみたが、帰る家も身寄りもない。激動の時代の中で町並みもすっかり変わっていたが、かつて遊んだ路地だけは昔のままで、昔のままの幼なじみ・おりんに出会い、職人魂を取りもどす。

『さんちき』  三吉はまだ半人前の車大工。それでも祇園祭の鉾の車の輻(や=放射状の何本もの棒)を一本だけまかされる。うれしくて、輻にこっそり自分の名前を刻む。その間にも、まわりの闇の中では、志士たちが殺しあいをくり返している。

『おけ』  太吉は修行中の桶職人。ある日、長州藩京屋敷に大きな桶を届けるが、屋敷間近で反長州派の侍たちに桶の中から褌の中まで調べられる。密書を探しているらしいが、何も出て来ない。太吉はぶじ屋敷に桶を届けるが、「桶をこわせ」と命じられる。桶に密書が仕掛けられていたのだ。描かれている職人魂もさることながら、さりげなく巧妙な仕掛けをする作家魂に感服。

『夏だいだい』  幕府軍と長州軍の戦で焼け野原になった京の町を、弁吉は志士の兄を探して歩く。捕らえられて瀕死の兄を見つけ、故郷で工夫して栽培を成功させた夏だいだいを見せる。

 ほかに『かがり火』では、戦に駆り出されて生きのびようと右往左往する人足たちの姿が、『マタギ』では、御所護衛のために連れて来られた東北地方の猟師たちの心意気が、『船宿』では腹のすわった寺田屋のおかみと女中さんたちの姿が、あふれるほど豊富な歴史知識を土台にして、丹念に描き上げられている。

 どの作品も、誇りをもって生きぬく人びとの、りんとした精神が描かれていて、すがすがしい。

 89年、日本児童文学者協会賞受賞。『京のほたる火』(岩崎書店)は姉妹編。

(後藤竜二/児童文学作家)

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