投稿元:
レビューを見る
商社に電話交換手として10年勤めているOL・綾子。彼女には誰にも言えない趣味があった。それは、夜な夜なでたらめな番号を押して電話をして、その相手と一夜限りのテレフォン・セックスを楽しむことであった。ある日、綾子は友達・美枝子から、変な男へかけてしまった間違い電話の話を聞く。綾子はその男ともしてみたいと思い、美枝子が言っていた番号を思い出し、かけてみた。すると聞こえてきたのは男の声ではなく、「誰か助けて!殺される!」という女の悲鳴だった・・・。
誰にも言えない性癖ゆえ、悲鳴が気になるが警察にも誰にも言えずに悩む綾子。結局は警察にもバレることになるのだが、その時の警察の対応はひどく、ちょっと同情してしまう。電話のこんな性質は初めて知ったけど・・・これって今の電話でも通用するものなんだろうか。気になる。
投稿元:
レビューを見る
主人公の女性は、欲求不満から下心をもって適当な番号に電話をかける。ある日、ある電話番号に電話をかけてみた女性は「助けて!」という女性の悲鳴を聞く。
そしてその事件に巻き込まれていく・・・
シリーズものの探偵が登場しない一冊。個人的には島田さんの書く、女性は本当の女性よりも女性らしすぎるというか、あまり共感できないためイマイチ。
ただ、巨大な都市の多くの部屋はすべて電話線で繋がっているというイメージ、そしてそこから引き起こされる事件という発想が面白い。
投稿元:
レビューを見る
欲求不満がたまりテレフォンSEXにはまった岡江綾子。友人の美枝子に聞いた番号にかけた電話。聞こえてきた助けを求める女性の言葉。自分の行為を恥じて警察に訴えられない綾子。匿名の投書を書くが・・・。やって刑事達。美枝子の愛人・須賀野民男の消えた妻。容疑がかかった須賀野だが美枝子のかけた電話によりアリバイが確認され釈放されていた。消えた美枝子。自分が須賀野と美枝子にはめられたと気がついた綾子の復讐。電話のトリックの秘密。綾子の家に遊びに来ていた美枝子にかかったきた電話の謎。
投稿元:
レビューを見る
電話先から悲鳴が聞こえたことから始まる推理サスペンス。
展開としてはやや単調で、ドラマなどになってそうな展開だが、中心的な一つのトリックで事件が成立してしまうのが興味深い。
投稿元:
レビューを見る
主人公綾子のあまりのバカっぷりに脱力しまくった。途中まで思わず逆恨みオチで終わるのかと疑うくらい。あまりにも頭の弱い子。
投稿元:
レビューを見る
ちょっとセクシーなシーンがあるお話ナリ。
主人公が結構バカ。
病院の待合室で読むには、適さないナリ。
投稿元:
レビューを見る
たぶんキオスク・ノベル(出張のときに駅売店で買って読み捨てる感じの本という意味)だと思いながら読む。
果たしてそのとおりの作品だった。1時間ほどで読み切れてしまう。寝る前に読んじゃって、次の本をとりにいく羽目に。
ま、こんな作品も作れるという例なんだろうな。
投稿元:
レビューを見る
主人公が体をはって真犯人に迫る手段あれこれは面白い。ただ現代においてはシチュエーション・トリックともに馴染むのに無理があるかも。
投稿元:
レビューを見る
2013.6.17処分
友人とその愛人のアリバイ工作に利用された主人公が、友人に復讐するために奮闘する。
ところがこの主人公の女性、プライドは高いくせに頭が良くない。。
行方をくらませた友人達の情報を得るために、体を汚し、北海道に行き、最後には逆に殺されそうになる始末。
アリバイのトリックは、電話の仕組みを利用したもので、全体的にさらっと読める作品。
投稿元:
レビューを見る
タイトル通りダイヤル式の電話がテーマなので今読むと古臭く感じますが、これは致し方ないと思います。
トリックに関しては、ダイヤル式のシステムの盲点を突いたトリックだと思います。当時これを知っていた人はどれくらいいたでしょうか?
主人公は30歳のOL。美人で独身。泣きながら女性の武器をふんだんに駆使する様子は、何だか作られた女性観のような気がして現実味がありません
。トリックからネタからラストシーンに至るまで、2時間サスペンスドラマを見たような感じでした。
投稿元:
レビューを見る
御手洗先生シリーズではなく、オリジナルの短編集。
所謂「テレホンSEX」や「悪戯電話」がテーマ。
でも、今って携帯電話が主流になっちゃたし、イタ電しがいがないかも・・・?知らない番号だったら私も出ないし。
まあ、その分2chとかのネット上の被害が増えたと思う。
「軽い気持ちで・・」が「殺人」へ・・・。
誰にでも起こりうることだと思う。
投稿元:
レビューを見る
◆作品紹介(背表紙より)◆
綾子は商社の電話交換手である。夜の退屈しのぎに女友達からそそのかされて、テレフォン・セックスを始めた。
そしてある夜、ダイヤルをまわしたとたん、耳に入ったその声!綾子がその番号の持ち主を知ったとたん、事態は驚愕の方向へ。鬼才が都市の恐怖、人間の弱点を衝撃的に描いたサスペンス秀作。
―――――――――――――――
綾子が真実を追い求める様子や、クライマックスの展開はハラハラドキドキしたけど、全体的に綾子に感情移入できない。
この人、何で頑張ってるんだっけ?と思う度に、プライドが傷つけられたからかーと思いだし萎える。
被害者への追悼の意は序盤だけ。
(赤の他人だからと言うのもあると思うけど。)
そして、ちょいちょい出てくるオトナのシーン(汗)。綾子が自分を標準型と言っているが、決してそうではないだろう。
ただ、電話のトリックは凄かった。目から鱗だった。
(2014.9.13 読了)
投稿元:
レビューを見る
粗筋でなんだかスケベな雰囲気かと思ったがそうでもない。
最近はテレフォンセックスなんてするんだろうかと思ったが、進化してテレビ通話まで出来るようになっている。
通話先が誰かわからない、でなんとなくわかってしまった(後知恵バイパス)が、もしカメラがついていたらどうなっただろうと思う。声だけよりも難しいのか、それとも情報量の所為でより騙されるのか。
主人公の執念が燃えに燃えて、最終的には殺人してしまうんじゃないかと思った。ここまで根気強くやれば不可能と思われることも可能になるのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
島田氏の御手洗シリーズについては感想を書いたが、その他の作品についてはすっかり忘れていたので、これから触れていくことにする。
さてガチガチの本格ミステリの御手洗物と違い、本作は女性が巻き込まれるサスペンスミステリを扱っている。
しかもなんと導入は主人公の女性がテレフォン・セックスに耽っているという、三文ポルノ小説的な設定なのだから、ビックリした。新境地を開こうと躍起になって島田氏は背伸びをしすぎているのではないかと思ったくらいだ。もはや本作の内容はうろ覚えでしかないのだが、このテレフォン・セックスが趣味という設定の割には官能的ではなかったように記憶している。後の『涙流れるままに』の方が、もっと内容的には官能小説に近かった。この辺は作者がまだミステリ作家になりたてだったこと、そしてミステリに対してストイックであったことに因るのかもしれない。
物語はこの趣味にのめりこんだ女性が夜毎、不特定の人に電話することで、ある日突然人が殺される瞬間の家にかけてしまった事から事件に巻き込まれてしまうといった物だ。人には云えない秘密の趣味がやがて自らを窮地に追い込むという点ではコーネル・ウールリッチの有名な短編「裏窓」を髣髴させる。あれが視覚的だったのに対し、島田氏は聴覚的なサスペンスを狙っているところが工夫した点といえるだろう。そしてさらに島田氏はこの偶然に対してある仕掛けを盛り込んでいる。ミステリにおける登場人物の役割という概念に新しい視点をもたらしているとも云える仕掛けだ。
しかし電話というのは古今東西ミステリによく扱われる題材だ。だから携帯電話が出た時にはあまりの便利さ、汎用性にミステリ作家達はどう処理していいものか、非常に困ったという。固定電話が被害者ならびに容疑者に犯行当時、現場不在の証明として有効に機能していたこと、文字通り顔の見えない相手とのやり取りであるという不確実性、これがミステリの効果を盛り上げていたからだ。しかし携帯電話があると、特にどこでも電話が掛けられるということで、アリバイを簡単に偽装できるし、また拉致された者が簡単に救いを求めることも出来るという利便性がサスペンス性を減じてしまっている。いやあ、文明の進化とミステリとは常に犬猿の仲なのだ。さすがに最近はミステリ作家も心得ていて携帯電話があっても成立つサスペンス、逆に携帯電話だからこそ出来るサプライズなどを盛り込んだ秀作も出てきている。
脱線してしまったので話を戻すが、上に書いたように平凡なサスペンスに終始しがちな本作のような作品でも彼なりに工夫しているのが、ミステリに対する思いの強さと作家としての志の高さを感じさせるが、やはり御手洗物の後に読むと凡作と感じてしまう。本自体も薄くてすぐに読めてしまう手軽さもその一助になっているようだ。島田氏の作品をコンプリートしたいという人のみ勧める作品だ。
本書はまだ絶版もされていなく、容易に新刊書店で手に入るようだ。しかし購入者の中にはもうそろそろ題名に付けられている「ダイヤル」の意味が解らない人達が出てきていることだろう。そんなことも含めて時代の流れを感じる作品ではある。
投稿元:
レビューを見る
30歳で独身の岡江綾子は、寂しさをまぎらわせるためにテレフォン・セックスをはじめましたが、ある日彼女の電話に女が助けを求める声が届きます。綾子は、殺人事件の現場に直面したのではないかと不安になります。そんな折、綾子の友人である美枝子から、彼女の兄の妻が失踪したという事件を聞かされ、やがて二つの事件の関係が明らかになっていきます。
舞台装置やキャラクター造形に古さを感じますが、電話を使って一つのサスペンスを仕立てあげてみせる著者の手腕はさすがだと感じました。