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イギリスの作家S.T. ヘイモンの長篇ミステリ作品『城館の殺人(原題:Stately Homicide)』を読みました。
ここのところ、イギリスの作家の作品が続いていますね。
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塔から何者かに突き落され、濠に投げ込まれた男の死体はあまりに無残だった。
だがそれは確かに、現場に駆けつけたジャーネット警部が昨夜会った男だった…。
殺人の起ったブリン・ホールは、アン王女の兄が16世紀に建てた由緒ある城館だった。
被害者は就任間近の新館長。
彼は昨夜催された元館長の送別会で、城館の観光施設化を発表して不評を買っていた。
殺人はその新方針が原因なのだろうか?
ハンガリー動乱の英雄の姉である現当主、四百年前の英国王室の醜聞を暴く手紙を発見した元館長、亡命者の工芸師、元泥棒のガイド…。
様々な過去を持つ住人たちが織りなす複雑な人間関係の中に警部が見出した意外な真相とは?
『聖堂の殺人』で絶賛を博し、P・D・ジェイムズの後継者と期待される著者が満を持して放つ意欲作。
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1984年(昭和59年)に刊行されたベンジャミン・ジャーネット警部シリーズの第2作となる作品、、、
小口と天・地が黄色に染めてある、懐かしく、心ときめく装丁のハヤカワポケミス(ハヤカワ・ミステリ、HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOK)版で読みました。
アン王女の兄が16世紀に建てた城館ブリン・ホール… この城の濠から鰻に食いちぎられた死体が見つかった、、、
被害者はこの館の新しい館長チャド・シェルドンで、彼の新方針には反対者が多かった… 新館長の死の前日に催された、前館長フランシス・コリトンの送別会に出席したベンジャミン・ジャーネット警部はこの事件の担当となり捜査を進めるが……。
古典的な雰囲気を纏ったミステリでしたね… 犯人は地味で意外な人物でした、、、
歴史ロマンの雰囲気が漂う魅力的な舞台設定や亡霊がつき纏う幻想的なエピソード、ユーモアに満ちた叙述、個性的な登場人物の造形等が印象的な作品でした。