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五丈原の巻。蜀の孔明と魏の司馬懿仲達の戦い。関羽も張飛も玄徳もいないのでなかなか読書が進まなかったが、後半の後蜀三十年を読んでから、ああそうだったのかと得心。
全巻を図書館で借りて読んだので、期限があったり前の巻を振り返ったりできなかった。是非再読したい作品である。
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登場人物多すぎ。でテンポも速すぎ。なんかト書きを読んでいるよう。
いったい今描かれているのがどんな場面、状況なのか把握できないまま、ところどころ印象的なエピソードを挟みつつも、物語はどんどん進行。途中で解説書を購入して。ようやく全体像が見えてきてた。
でも張飛が死ぬあたりからだんだんパワーダウンしてきて、劉備が死んでからはどうでもよくなった。そもそも孔明の作戦があまりにも当たりすぎるところが鼻白むんだよなぁ。
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この吉川三国志シリーズもようやく読破できた。
孔明の北伐は成功を見ることはなく、無念のうちに病死、その後の蜀は孔明の後継者争い、人材不足、劉禅のリーダーシップの欠如などのため疲弊し、魏に滅ぼされてしまう。その魏も司馬炎に滅ぼされてしまうという混沌とした時代が続く。本作品はハッピーエンドではなく、一抹の淋しさが残るのだが、それでも読破後の満足感はたっぷりだった。吉川英治氏の格調高い且つ躍動感あふれる文体のお陰もあるのだろう。
これを機に、吉川英治氏の他作品、例えば水滸伝や宮本武蔵なども読んでみようと思う。私が最も尊敬する作家である司馬遼太郎氏とはまた違った歴史小説が楽しめるはずだ。
以下に二点だけ、興味深かったシーンを引用したい。
・所詮、敵わぬことを知って、なおこれ以上ぶつかってゆくのは勇に似て勇ではない。貴公達二人は大急ぎで諸葛丞相にまみえて、いかにせばよろしいかご意見を求めて来てくれ。
→曹真に協力した西羌軍の鉄車隊に蹴散らされた馬岱が、関興と張苞に諭した言葉。敵との力の差が明らかな場合に無理と知りながらぶつかるのは勇ましいことではないのだ。
・今もしこの陣に関羽の如き者がいたら、こんな小戦果を以って誇りとするのはおろか、到底満足はしなかっただろう。かえって、「丞相からこれほどの神謀を授かりながら、肝腎な司馬懿を取り逃がしたことは、何とも無念であり、申し訳もありません」と慙愧叩頭してその罪を詫びて止まないに違いない。
→北伐において司馬仲達を取り逃がしても戦果を誇る部下に対し、自身が求めるレベルに達しない部下(廖化、姜維、張嶷、王平)を淋しく思うシーン。関羽とはしょせん格が違うということか。
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諸葛孔明が最後を迎えるまでの様子は、自分の死後までも的確に予測し、それに対する指示を残すという、彼らしいものである。
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長かった。疲れた。全8巻。
曹操の活躍に始まり、劉備、関羽、張飛の活躍。
魏呉蜀が入り混じる赤壁の戦い。戦国時代の様相。
曹操も死んで、劉備、関羽、張飛も死んで、次の時代、魏の司馬懿仲達と蜀の諸葛孔明の戦い。孔明の死まで。
諸葛孔明はすごい人でした。
晩年の蜀は有能な武将がいなくなる中で、戦略によって、魏とわたりあう。苦しいのを状況のせいにせず、状況の中で最善を尽くす姿勢がすごいと思いました。
体力のある人は是非。
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吉川三国志の最終巻。
諸葛孔明と魏との戦いが描かれる。
このあたりまで話が進むとようやく孔明に好感をもてるようになる。彼の魅力が存分に書かれているからか、それとも人物が皆退場してしまい最後の英雄諸葛孔明に感情移入するしかなくなるからか。
長かった。ようやく全8巻読破。
再読にもかかわらず飛ばし読みせず丁寧に読み進めたから本当に疲れた。
しかし、長編ものを読み終えたときの達成感はとても心地よい。
吉川三国志。また10年後くらいにページを開いてみようと思う。
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2回目の再読。歴史小説として純粋に面白く、2週間で全巻読破。改めて、三国志の主役は劉備ではなく、孔明(と曹操)であることを認識。
・「三国志」は晋の時代に陳寿により記された魏、呉、蜀の国別の史書の総称。基本は史実をまとめた本だが、多少の虚構あり。その後、明の時代に、「三国志」やその他の伝承本等をもとに歴史物語として作られたのが羅貫中の「三国志演義」。こちらは7割が事実で3割が虚構とも言われている。「吉川三国志」は「三国志演義」をもとに、日本人向けに一部脚色も加えながら書かれたもの。
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面白かった。
三国志は一回途中で挫折したことがあったので、再度チャレンジ。横山漫画が何回読んだかわからないくらい読みましたが。
読んでみると、やっぱり面白い!なんで途中で挫折してしまったんだろうって思うほど。読みやすいし、一気に読めました。
孔明の人生は涙しない人はいないのではないかと思います。あれほど才能がありながら、驕ることなく先主との誓いを果たすことだけに生きた。しかも、孔明の誓いは様々な要因から結局は果たされずに終わる。事を計るは人にあり、事を成すは天にあり。
秋風五丈原…、胸を打たれます。
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華々しい戦果を上げた、三国の英雄は早や去り、孔明の寂寥の念は読者も同じくするところ。一騎当千の趙雲も関羽張飛の子等から老将と呼ばわれ、孔明以下、蜀の将は小粒ばかり。死期を悟ってもなお、先帝劉備への大恩を果たさんと蜀を支え続ける孔明の姿は、絵巻物のごとく桃園三傑の八面六臂の活躍ぶりが痛快だった前半とは打って変わって、そこはかとない哀調が漂うものである。孔明死後も蜀滅亡、司馬懿一族の台頭と長い歴史が続くのであろうが、この物語はここで終局であると、誰もが納得するところであろう。合掌。
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三国志は子供の頃に子供向きの本を読んで以来になる.どんな話か全く覚えていなかった.
初めのうちは名前が覚えづらく,どの人が重要人物なのかもわからないうちにどんどん人がでてきて,うまく話に入り込めなかった.主要人物が定まってからも,結局,共感の少ない読書に終始することになった.お正月になにげなく読み始めて以来,4ヶ月も何となく自分にあわない本を読んでいたことになる.途中でやめる勇気が必要だった.
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とうとう最終巻。
孔明率いる蜀軍が魏の大軍を迎え撃つ。
人材の不備を嘆くが、老将趙雲もまだ健在、関羽・張飛の子も大活躍。姜維という若手も獲得し、優勢かに思われたが…。
孔明すでに五十半ば。
司馬仲達率いる敵軍と交戦を重ねるうちに将星を不幸に失い、馬謖を斬り、味方からは内紛の気配が。いよいよ蜀の衰亡強くなる。そして五丈原へ。
孔明の早すぎる死は、連戦続く最前線に立ったことによる過労死ともいえる。ストレスも半端なかったろう。上司(二代目のボンクラ息子)がもっとしっかりしていれば。
孔明を「偉大な凡人」と称した著者の観察はおもしろい。智が働くがゆえにストイックだった彼には、次世代が育たなかった。天下三分の計を描いたのは孔明だったが、その没後、蜀も魏も、さらに呉までもが後継者の無能により亡国の憂き目に遭う。
英雄、名軍師と呼ばれる者にも欠点はあり、欠点よりも美点を見出し活用すべしとの劉備や孔明の仁政は,現代にも参考になろう。
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最終巻。
読み終わった!!
劉備がなくなってからいまいち読む速度が上がらなくてちょっと苦戦。
でも、趙雲すら老将と呼ばれ、息子たちも次々と亡くなり、遺されてる孔明も年老いていく。
眉間に皺なくしては読めなかった。
孔明の死で話は終わってるが、後蜀30年を読んでも、つらくて仕方なかった。
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物語りはピークを過ぎ、劉備が死して以降、惰性の感がある。作者もそれに気付いており、編集を諸葛亮孔明に視点を置いている点を告白する。そしてもう一人、曹操。これらの役者が居なくなった後、最早続ける大義は無いと、物語りは閉じられる。そして晋へ。三国志を知ると知らないとでは、教養だけでなく、人生そのものが変わる。そんな名作である。
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文庫で全8巻という長さと、馴染みのない異国の、しかも想像しにくい歴史を描いた作品で忌避していたが、なかなかどうして非常に読みやすい小説だった。
玄徳が関羽張飛と出会い、曹操が起ち、三顧の礼で孔明を得て、と中盤までの盛り上がりは凄まじい。一方、歴史文学なので仕方ないことだが、後半には一人、また一人と役者が欠けていき悲壮感を増していく様は寂しい。本当の英雄が戦の後まで残らないのは彼の国でも同じである。
三国志という誰もが知っているタイトルを、今更ながらでも手にできて良かった。