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コヨーテたち 越境するヒスパニック・アメリカ みんなのレビュー

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紙の本

砂漠を歩き、河をわたり、それでも求めるものは何か?

2000/07/29 08:47

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コヨーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 自分の国に密入国する? 正気か?
 でもその冒険を本当にやっているこの金髪の男が、自分と同い年の、沖縄生まれのアメリカ人だと知ったとき、ぼくは非常に大きな興味を覚えた。それで、この本を読んだ。衝撃は、期待をはるかに越えて大きかった。
 歴史上いつも存在していた外国人労働者の流れは20世紀後半、世界経済の不均衡がどんどん大きくなるにつれて、誰の眼にも明らかになってきた。80年代以降、ほとんど爆発するように、さまざまなエピソードがメディアの表面に浮かんでくるようにもなった。
 フランスのアルジェリア人。ドイツのトルコ人。中近東の韓国人。イギリスのパキスタン人。日本のブラジル人。こうしたすべての流れで、たぶんもっとも巨大な水脈をなすのは、世界最富裕国アメリカへの、南の隣国メキシコからの流入者たちだ。
 この本では、そんな風に仕事と機会を求めてアメリカにひそかに侵入するメキシコ人たちの、死と隣り合わせの旅にとことんつきあった、ひとりのアメリカ人の体験と認識が綴られる。アリゾナ州の砂漠地帯、地表温度が六十度にもなるそこを、かれらは暗闇とともにわたる。その手引きをするのが、コヨーテと呼ばれる仲介者たちだ。日本への中国からの「渡し屋」である蛇頭と比べることのできる、とても信用するわけにはゆかない、アウトローたち。
 でもそのコヨーテたちと関わり、あるいは距離を置きながら、何かを求めてアメリカに入る者は後を断たない。お金? 希望? 夢? その流れをありのままに認めつつ、著者は自分の国へと、危険を冒して越境してゆく。
 砂漠を生き延びるためには、人はフクロウに、コヨーテにならなくてはならない。その渡りの果てに、何かが約束されているわけではない。それでも、「ここ」にとどまるわけにはゆかないから、「あちら」にゆく。北(エル・ノルテ)に。「アメリカ」と呼ばれる経済体を生み出してきたメカニズムの、もっともシンプルでプリミティヴなかたちが、ここにある。
 すばらしい旅行記であり、経済原論であり、国家論だ。

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