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桶狭間までの信長。誰が書いた信長よりも安吾の信長はいきいきしています。ひとつ残念なのは文庫でこのお値段だということ。
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坂口安吾の信長は、とんでもなくカッコいいんだ!
斉藤道三との関係もイカス。
「科学する魂なのだ」って表現がとくに好きです。「信長」だったか「織田信長」だったか忘れたけど…
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「信長」は織田信長の前半生がコミカルに描かれていて面白いです。終わりかたが中途半端なのが惜しいけれども。
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イノチガケ
おもしろいおもしろいおもしろすぎる!!タイトルとは裏腹にばさばさとなくなってゆくひとたち。だれにもずるずるといきる様のなく、無情の世の中にただただ倒れにだけ行く様子。わたしの好きな本の中でサドのソドム120日というのがあってそれも髣髴とさせる!!だけどそのストーリー性はなく、ほんとうにただただ殉死していくのがすごい。その世の中に未練のない様子に心惹かれていたのだろうか。なくなってもなくなっても情熱を携えていざジャパン。今だからいうけど、それだけの情熱が実を結ぶ場所であったろうか。日本の残酷さを思うし、そしてその日本の斜にもかまえず情熱的過ぎない様子、そして、ただただ殉死!
信長
こんなに面白い信長を読んだことがあっただろーうか!何が面白いって、そとわくとしては歴史的なないように踏み込みすぎないところと、あたらしいノブナガにチャレンジしようとしたところ、そして何といっても歴史小説独特のどろくささがないところ。信長は、特に歴史ほども力があったようにも思えない。それでやっぱり人物に焦点をあてて魅力を伝えてしまうものではあるんだろうけど、それよりは風を読んでいるみたいだった。信長の動いた軌跡を読んでいるみたいに、本当に新しい歴史小説をよんだきもち、
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イノチガケは切支丹弾圧の歴史を凄惨に描いている。殉教に感化され洗礼を受ける者が出る。それを逆さ吊りという汚辱にまみれる処刑法で断ち切る。ラストは天草・島原の乱。圧倒的丁数を持つ鉄砲での武装は、幕府軍を容易に寄せ付けなかった。
信長、はうつけと云われた少年時代から桶狭間までを描く。軍事的天才はどのように成長したのか?現代的表現を巧く織り込む文体は、おもしろく読ませてくれる。
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イノチガケの壮絶・・・。
曇天または暴風雨の本、時間がかかる、なかなか進まない。いちいちだまって考えこんでしまう。
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桶狭間の戦いまでの若き日の信長の物語。うつけ者をわざと演じたとの解釈もあるが、内紛に苦心惨憺の姿が描かれ、とにかく一生懸命ぶりが生き生きと描かれている。12.3.29
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キリシタンもの短編二つと信長。キリシタンのやつは遠藤周作を思い出させるが、もっと淡々とした印象。信長は臨場感がとても良くて、一気に読める。和田竜ののぼうの城とか好きな人は好きかも。
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坂口安吾の歴史物、どれもいい。「イノチガケ」は南蛮宣教師の宗教的情熱がすごいけど、織田信長や新井白石が合理的に理解できなかったって話か。
「信長」は言い回しがおもしろくて何度も読んだ。
「ハハア。なるほど。アレ、アレ、長い槍を邪魔そうにして、みんな餅を食いだしたよ。みんなまだ子供らしいな。なんて、まア、長い槍だろうね。あれ、退屈して、行きつ戻りつはじめたね」
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「イノチガケ」
ついにシリーロが来日の使命を白石に説く場面、にもかかわらず白石が冷然とかわす場面、最高。
安吾の文章は、本当は単純なんだが言葉にすると厄介なめんどくさい問題というのを、実にうまく描いている。それと、感情に打ち負かされるということがない。物語全般に、登場人物と作者、あるいは登場人物同士の温度差というのがあって、理想と激情が合致するようなカタルシスはまずない。また、安吾は、熱情をもって説かれるキリスト教理にもそれを極めて理知的に否定する白石にも一定の距離を置いている。にもかかわらず感動を禁じ得ないのは、こうした行き違いこそが現実のものであって、そこに歴史の厳然とした事実があるということだ。安吾の歴史小説は面白い。本物の作家はやはり素晴らしい時間を与えてくれる。
「信長」
若き信長を描いたある種の青春小説。青空文庫で読んだ短編「織田信長」の前段階に当たるのかもしれない。
痛快な成長物語である。坂井大膳が床をじっと見ながら泣きごとを言う滑稽。柴田権六が信長にやぶれついにひれ伏す過程。道三との不思議な共感・・・特によかった。
覚悟を決めた男の強さ。しかし自ら選択肢を消してしまうのは自暴自棄。性急さが若い信長にはあったのかもしれない。覚悟とやけっぱちのはざまで。しかし、最後の桶狭間では、覚悟と冷静さが同居していて、まことに強い人間になっている。天命を受け人事を尽くし天命を待つ。これにつきる。
ところで安吾の文章は然し、というのを一文で二回繰り返したり、近いところで同じ言葉を用いたりしている。これは技なのかいや本当に頓着していない気がする。
歴史小説を読むと、登場人物のほんとうが知りたくなるのは常のこと、今回もその例に漏れず信長周辺の人物をウィキペディアで片っぱしから追いかけるはめになる。改めて信長という大人物に驚く。彼がやったことは、現代でも大問題になることばかりなのである。それほど彼は突き抜けている。徹底してキチガイだった。
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全集で読んだような気がしていたが、読んでみてあまり記憶がないところが多い。「イノチガケ」は切支丹弾圧の話。なぜ観念的なもの、実体のないものにそこまで命を張れるのか、個人的には不思議と思う。「信長」は十五歳のころから、今川義元を討ち取るまでの織田信長を描く。非常に合理的な信長が書かれていて、面白くいっきに読んでしまった。何かで読んだが「信長」は未完らしい。
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「信長」から読み始めた
昭和チックな文体と雰囲気に
なかなかなか馴染めなかった
最後がブツッと切れた感じで
終わっているのが残念だった
徒然舎にて購入