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スタンダールの「赤と黒」がロマン・ロランの「ジャン・クリストフ」だとしたら、「パルムの僧院」が「魅せられたる魂」にあたるのでは?
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百恵ちゃんが引退する少し前に「人はそれをスキャンダルと言う」というドラマをやっていた。サスペンスタッチでなかなか面白いドラマだった。
その原作がロマン ロランの魅せられたる魂だと知って読んでみた。
どちらも父親の死後、隠し子がいる事が判明し、腹違いの妹と出会うところから始まる。
ドラマの蘭子はとんでもない性悪女で、何かと引っ掻き回してくれたけど、原作のシルヴィーは奔放なところはあるけれど、自力していて社会通念も持っている現代の我々からみたら好感度の高いチャーミングな女性。むしろ主人公のアンネットのほうが面倒臭い女。なんでしょう、自分から人生をややこしくしてしまっている。
妹との関係、息子との関係、今後の展開が楽しみ。
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「わたし結婚なんかしようと思わない。ああいう独占的な関係に適するようにわたしむいていないの。あなたは言うでしょう、幾百万という女がそれに満足しているのだ、わたしはあまり真剣に考えすぎるのだって。でもわたしはそういう人間なんです、わたしは何でも真剣にとるのです、わたしは自分を与えるとなれば、あまり与えすぎるのです。そうなると息もできなくなってしまう。首に石をつけて溺れるような気持なんです。それはわたしが十分に強くないからでしょう! わたしの人格は固まっていないのです。あまり強い絆――木蔦――はわたしの精力を吸いとってしまうのです。そしてわたしの分はいくらも残らなくなってしまいます。わたしは『相手』に気に入られようと、彼の望みどおりの理想像に似せようと一生懸命になるのです。そしてそれが悪い結果になるのです。自分の本性をあまり捨てると、人は自分に対する尊敬を失うのです。そしてもう生きては行かれなくなるのです。さもなければ、反抗して、人を苦しめるのです。・・・・・・わたしはひとりで生きるようにできているのです。(「魅せられた魂」ロマン・ロラン)