紙の本
時代を経ても興味深い内容です。
2020/11/14 13:53
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大部分は本書のタイトル通り箴言集となっており、最後が『考察』と題された内容という構成です。
メインの箴言についてはタイトル表記した様に、多岐に亘る方面について、時に鋭く、時に当意即妙に言い述べられています。中には(?)というものもありますが、時代的にそぐわないのかもしれないですし、単に私の理解力が乏しいだけかもしれません。人間自身はこれだけ時代を経ても大きくは変わらないものだ、という点ははっきり判りました。
最後の『考察』も著者の心の内を覗けた様でかなり良かったです。
投稿元:
レビューを見る
友人に「ビアスに興味あるならこっちもオススメするよ」と言われ借りた本。
普通に面白かったです。ただ全部には納得がいかないかなー…。まぁ個人的に論語よりかは面白かったです。が、内容がウロ覚えなので☆4つ。
投稿元:
レビューを見る
面白い。
やっぱり格言とか、みんな好きなのね。
短いから読みやすい…というのもあるけど、試行錯誤した苦労のあとも窺えていい。
人間の思考回路なんぞ、ついぞ変化しとらんね(笑)
投稿元:
レビューを見る
フランスの貴族であり武人でもあったラ・ロシュフコーの短い警告文(箴言)を集めた本。人間の本質に対する深い洞察が、非常に短い文章の中に凝縮されている。建前を取り除いた、人間の本音の部分に気づかされる。
人間理解のために、人間の美徳を過大評価しないためにお勧め。
ひとつひとつの箴言にはつながりがないので、ふとした空き時間などに読むのにも良い。
投稿元:
レビューを見る
「人間性を剔抉して最も奥深く踏み込んだ残酷の書。読書の痛苦は、この薄い一冊と沈黙の対話を続ける忍耐に尽きるかも知れない。」(谷沢永一『読書人の悦楽』253頁)
投稿元:
レビューを見る
【メモ】
高校の図書館で見つけて以来何度も借りて読んだのを思い出した。
当時のは深緑色の表紙で、この岩波版よりもっといかめしい感じだったなぁ。
今手元にないので、探してまた読んでみよう。
投稿元:
レビューを見る
人間関係に悩んだときに、悩んでいないときに
フランス人はいつも答えを用意している。504編の箴言、格言や警句を読んで、唸らない人はいないだろう。17世紀にして答えは出ている。何も怖がることは無い。
「人は決して自分で思うほど幸福でも不幸でもない」
1998年、読了。結婚や仕事に悩んだときに出遭った。
投稿元:
レビューを見る
ゲーテの格言集と違って人間の自己愛や虚栄心などの負の面について扱った本。人間の本性に深く切り込む本。
露悪趣味というか、ペシミズムが全体的に流れている。人間の負の側面の真実を的確に現しているのは確かだが、「それでどうした?」という思いがどうしてもぬぐえない。
「批判してれば偉くなった気になれる」という言葉がさすように、言うほど含蓄があるかどうかは疑わしいのが怖いところ。
自分がペシミズムを嫌うのはそういった「いいっぱなし」「非生産性」という面が嫌いだからだが、たとえ生産性があったとしてもそれは「成長」や「資本主義」に毒された現代人の価値観に根ざしたものでないかと思うと一概に批判も出来ない。時代によっては悲観こそが美徳だった時代があるかもしれない。
そして著者本人が報われない軍人だったらしいが、それが少なからずこの本の内容に影響を及ぼしていることは疑いがない。著者本人の思想・世界観が年齢によってどのように変遷しているかが知れれば、もっとこの本に深みが出てくるかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
1613〜80年代に生きたフランスの公爵。名門中の名門
貴族で、時の権力争い、国家闘争など人間のきたない部
分をたくさん見てきたんだろうな。人間の裏の裏をズバ
リ暴きだす!昔も今もどの国であろうと人の本質は一緒。
人の本音を知りたいあなたへ!
---------------------------------------------------------------------------------------
▼3 つの共感ポイント▼
■われわれの美徳はほとんどの場合、偽装した悪徳にす
ぎない(P11)
■精神の強さとか弱さというのは当を得ない言い方だ。
それが実は肉体の諸器官の状態の良し悪しに過ぎない
からである(P22)
■自分は人に好感を与えるという自信は、えてして人を
不愉快にする決め手になる(P163)
投稿元:
レビューを見る
・我々の憎悪があまりに激しくなると、憎んでいる相手よりも下劣になる
・我々はみんな、他人の不幸を平気で見ていられるほどに強い
・薬が調合されるときに、そこに毒が入るように、徳が組み合わされるときに、そこに不徳が入る。知恵は徳と不徳をうまく調合し、それを人生の不幸に対して役に立てる
・愛の喜びは愛することにある。相手に抱かせる愛情によってよりも、自分の抱く情熱によって幸福になるのである
・物事をよく知るためには細部を知らねばならない。そして細部はほとんど無限だから、われわれの知識は常に皮相で不完全なのである
お気に入りはこのあたり。
どれも辛辣で切れ味抜群です。
投稿元:
レビューを見る
「われわれの美徳は、ほとんどの場合、偽装した悪徳に過ぎない」
ドキッとして借りた。
いくつか、唸らせるものがあったが、全部読み通すには長過ぎる。
よくもこれだけ格言を思い付くことができるものだ。と感心。
投稿元:
レビューを見る
的を射ているが故、ともすれば批判の対象となるようなおいそれとは口にできない箴言の数々。厭世的かつ理性的な人間批評に唸らせられます。
ただの「人情家・人格者」として無遠慮・無思考に人間を礼讃することはけして無かったロシュフコー。その理性的な格言は兎に角一節読めば間違いなく感服させられます。
投稿元:
レビューを見る
「ラ・ロシユフコー箴言集」岩波文庫
資生堂の福原会長が座右の書として、読まれている本である。
17世紀の公爵の言葉であるが、現在に生きる私たちにも心に響く
言葉があふれている。その中のひとつを紹介すると’年’について
以下のような箴言がある。
「我々は生涯のさまざまな年齢に全くの新参者としてたどり着く。
だから、多くの場合、いくら年をとっていても、その年齢においては
経験不足なのである」
よく、「年齢は背番号である」、「これから始まる、一番若い年である」
といろんな言葉があるが、考え一つですね。
投稿元:
レビューを見る
初版は1665年なので、336年前の本。
人間は昔も今も変わらないという感じ。
人間の心の奥底にあるものを引き出す。面白い。
投稿元:
レビューを見る
真に愛せる人間は自分一人なんだから他の奴らがやってる事なんて大体裏があるに決まってるよな?当たり前だっての。
この本は読んで、笑って、共感して、一時の慰めを得るための物で、書いてある事を信条に生きる事を決めるようなバカの為の本じゃないってのは言えるな。ましてや絶望したなんて感想を持つ奴はさっさと本を閉じてマイリトルポニーでも見てろ。
むしろそこから自分を愛する、自分の孤独を愛する、他人を愛する、他人に愛されるって事を考えていくのが人生だろ?
そういう苦悩ときちんと向き合ってる人の前には真の友情とか無償の愛って物が自然と姿を現すんだよ。