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下村さんの本があったので、ブックオフで100円で購入。
ハーバード大学特別研究員として過ごした一年間の記録。
一種の研修なのだが、ここの条件が仕事のことは一切禁止という内容。
やはり、米国の大学のレベルは高いと感じさせられる。
例えば外交政策であれば、そのパートごととして二人の教授が担当と
なるが、一方の教授が講義をしているときにはもう一人の教授が
一緒になって必死に講義を聞いているというところ。
必然的に授業に緊張感が出る。
また、別にアメリカの学生が日本の学生よりも勤勉と言う美徳が
あるということではないということ。つまり、必死に勉強をしなければ
授業についていけない仕組みが出来あがっていること。
読んでおくべき文献はざっと週1000ページ・・・。それを読んでいるという
前提で講義が行われる。
でも、これ、別に日本でもやればいいのにとも思ってしまう・・・。
本書の刊行が1990年。著者の指摘は、日本はトップとボトムの差を
なるべく縮める傾向。一方、アメリカはトップをとことんまで引き上げて
個人の才能で勝負させる仕組み。
良いにせよ悪いにせよ、この傾向は今も変わらないので、中国・韓国の
ように米国でびっちりと学習・リーダーとしての素質を叩きこまれて
母国で花咲かすことが、一番健全な姿なのではないだろうか。
また当時はブッシュvsデュカキスの選挙時代。
基本アメリカ人は「ノープロブレム」な状態であればよい、
そして嫌なニュースは聞きたくない、故に耳当たりの良いことを
強調する人に人気が集まる、という国民気質。
やれやれと思ってしまうが、まあそんな彼らがよくぞオバマを
選んだものだ。
いくつ年を重ねても、学習の必要性、意義を教えてくれるよい一冊でした。