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荒俣宏、さすが、でかした!と言いたくなる良い仕事。ファンタスティックダズンというシリーズですが、シリーズの他の作品も欲しくなった。
原著は1723年頃
神聖自然学。バーバラ・スタフォードの本で引用してあって知った本だけども、その際、高山宏は神聖物理学と訳してた。
PHYSICA SACRA。
超絶。図版のぶっちぎりっぷりで言えば、バーバラ・スタフォードの引用してた膨大な作品群のなかでも圧倒的だった。
医学、化石学、考古学、地質学、、、といったものからひもづく膨大な量の知識を、聖書のビジュアル化に使う、という試みに用いたせいで、ほかの誰にも構成できないとんでもない図像群がうまれている。
18世紀とはこんなにも遠いのか。
「記号よりも図像。観念よりも表現。写生よりも図解。」と歓喜し、全身を目玉にしろという荒俣宏のそのままおっしゃる通りにやられるのが楽しみ方です。
ひたすらに科学的に、厳密に、知的に積み上げたものが、今の僕たちには圧倒的に幻想的。カイヨワも、「幻想のさなかに」のなかで引用している。
これこそものすごく今日的。スタフォードが18世紀のビジュアルアナロジーに今日への接続を見出していたのもわかる。
このようなモノづくりがしたい。これだけ画面に詰め込められる背景が自分に欲しい。
この本は原著の一部を抜粋したものであるが、誰か原著をまるまる日本語で出してくれないか、、、