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図書館で借りた。
歴史学者の三浦周行(ひろゆき)博士が1916年に記した作品。個人にスポットライトを当てて、様々な側面から論じている。歴史の基礎知識が一通り入っていないと読むのは難しいが、新しい観点を与えてくれる本だ。
「歴史の見ようは時代によって違う。その時よく言われた人が不評判になったり、隠れていた人が真価を認められるようになるのはよくある」「北条義時とか不人望な人物が、天寿を全うし、子孫も累世永く政権を執ったのは忌々しき反感を与えよう」「この問題は国民教育に重大な意味をもたらす。教科書は触れまいとつとめているのは議論の余地があるにしても、苦心は認めねばならぬ」
大河ドラマ「鎌倉殿…」を見た後だったのもあり、義時が全くの悪役に染まった観点で、かつ教育論を記されているのは興味深かった。さらに、義仲・義経・時政・丹後局の各章も深く読むことができた。
…読めたところもあれば、基礎知識が足りない部分もあると感じさせられた。まだまだ学んでいきたい。