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ラテンアメリカ文学の短編の中から怪談?っぽい作品を集めた短編集。以下、各編の感想。
『火の雨』(レオポルド・ルゴネス)
死なされるくらいなら死んだほうがマシ、ということなのだろうか。もちろん自分は同じ事態に遭遇したら、恐慌をきたして道端で焼け死ぬだけだろう。★★★★
『彼方で』(オラシオ・キローガ)
美しき死の物語。愛するカップルは「二度死ぬ」。★★★★
『円環の廃墟』(H.L.ボルヘス)
円環的入り子構造の作品。ぐるぐる回って、挙句の果てに自分が燃え尽きる。ボルヘスもいい加減飽きてきた。★★★
『リダ・サルの鏡』(M.A.アストゥリアス)
ラテンアメリカ土着の民族的な文化の名残を語り継ぐ貴重な作者であるのは認めるけど、小説として面白いか?★★★
『ポルフィリア・ベルナルの日記』(シルビーナ・オカンポ)
超常的な能力を持った少女だったのか、はたまたただ単に主人公が分かりやすい性格をしていただけなのか?★★★
『吸血鬼』(マヌエル・ムヒカ=ライネス)
全体に漂うB級感がたまらない。ラストシーンは果たして魔法の効力によるものだったのだろうか。★★★★
『魔法の書』(エンリケ・アンデルソン=インベル)
無限の書、といっても構わないような。書いてある内容も興味深いし、とにかくこーゆー雰囲気と発想は大好き。★★★★★
『断頭遊戯』(ホセ・レサマ=リマ)
うーん。結局どういう話だったんだ?俺の理解を超えていた。残念。★★★
『奪われた屋敷』(フリオ・コルタサル)
すっかりお馴染の本作だが、何度読んでも不思議な余韻を残す名作。★★★★
『波と暮らして』(オクタビオ・パス)
ファンタジーに見せかけた、男と女の話。男ってのは一度飽きてしまった女に対しては徹底的に冷淡になれるもんです。★★★
『大空の陰謀』(アドルフォ・ビオイ=カサーレス)
SFファンからすれば彼の作品は今となっては陳腐なのかもしれないけど、この人の描く世界は個人的にはツボなのです。★★★★★
『ミスター・テイラー』(アウグスト・モンテローソ)
これを読むのは2度目だけど、やっぱり面白いなあ、これ。分かりやすい欧米とラテンアメリカの歴史の縮図。★★★★★
『騎兵大佐』(エクトル・アドルフォ・ムレーナ)
あ、これは、とすぐ感付いてしまったけど、死神なのね。悪魔かと思った。(違いがあるのか知らんが)★★★★
『トラクトカツィネ』(カルロス・フエンテス)
怖ぇー、これは怖ぇー。メキシコの大地には過去が今でも息づいている。★★★★
『ジャカランダ』(フリオ・ラモン・リベイロ)
あれ?生きてる・・・。★★★