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僕にとっては夏目漱石二作目、虞美人草に続いてです。
前に読んだ虞美人草は面白いかといわれると微妙でしたが、それからは面白かった。今の時代の人が読んでも面白いと思える作品。主人公の代助の心情描写には共感を覚えました。
描かれている恋愛観も素晴らしいものでした
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『三四郎』『門』との内容的関連から「三部作」と称される小説。前作『三四郎』が青年の自己形成を主題としたBildungsromanの趣が強いのに対して、本作の主人公・長井代助は物語の開始時点で高等教育を修了し、父や兄からの経済的援助のもとに高等遊民的な生活を送っている。その生活が、平岡とその妻三千代の登場によって撹乱される。三千代への愛、平岡との友情、家族との関係など、様々なファクターを考慮しつつ、代助は自己内省を深めていく。その末に到達した結論は、合理性(ここでは父の薦める通りに見合い結婚をすること)ではなく、三千代への愛を貫くことだった。しかし、それによって家からは勘当され、平岡との友情も破綻し、遊民的生活に安住することも出来なくなる。その意味で、本作のクライマックスは、三千代への告白よりも、全ての光景が赤に染まっていく、あの狂気寸前の代助の情景描写に他ならない。
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恋人たちは自然にお互いが惹かれあうならば、正直に、そうあるべきなんだなぁ。タイミングも肝心だと思った
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最近だが通勤の満員電車の中で狭苦しく冊を開いている。
そんな中で迫りくる代助と三千代の心の荒波に、思わず涙がこぼれた。
繊細な心の動きを華麗に表現しているのは凄い!
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明治時代のニートこと代助の横恋慕。
明治も平成も人(青年)はそんなに変わらないということ。もっとも、現代では人妻を奪ったからといって親に勘当されることはないだろうけど。そう言う意味では、人は「自然」に従って生きやすくなったのかな?
面白かった。三部作の最後「門」も読むぞ。
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三千代のために代助は、食うために働くのか、働きのために働くのか。うーん、そんなこと考えてる余裕はもはなかった。とにかく走り出した代助の姿が印象的
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ニートの話。気持ちはわからんでもないが、共感は出来ない。人に迷惑かけ過ぎ。
しかし、一度嫁いだら離婚出来ないなんて、本当に硬直的なシステムだよな。現代に生まれて良かった。
というか梅子のような兄嫁が欲しい。兄嫁に優しくされたい。
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「代助は決してのらくらして居ゐるとは思はない。たゞ職業の為ために汚されない内容の多い時間を有する、上等人種と自分を考へてゐる丈である。」
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文学上の「高等遊民」を感じようと読んだ作品。解説で吉田熈生が「息苦しい感じ」と評す漱石の文体を肯定できるようになるには年月がかかった。ストーリーは「自然」に人を愛そうとする遊民・代助の社会的不許の愛である。ただし注目に値するのは、物語の幹ではなく枝葉にある。視線の行方、煩悩の文字、不快な相互理解の描写、それらの精微な表現がこの作品の醍醐味であろう。やはり漱石を読むには、中学生時代の私は幼すぎたね。
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身につまされるというか、なんというか。
本ばかり読んでも実生活が充実していなければ何にもならない。入鄽垂手。人間は生活に向かわなければならない。
このあたりは、「罪と罰」や「金閣寺」とも共通する。
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前から読みたいと思っていた一冊。
儚い恋の物語であって、どこか無常感を感じさせるような内容だった。
今も昔も、恋愛感情の純粋さというものを、持っている人は強いのだなと感じた。
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赤の描写が鮮やか。論理的だった代助の変化。結局、目の前にいざその人がぶらさがると目の前が見えなくなる。盲目。
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高等遊民、いわゆる放蕩息子の話。金も知識もあるが、愛だけは手に入れようとしなかった、代助が三千代に真の思いをつげることで、安逸にとどまっていた運命が廻転する。人生の主題はいつでも、それから・・・で続いていくのである。
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この本を読むきっかけは
面白かった本の中に
出てきた本だったため
いったい主人公達はどんな時間を
過ごしていたんだろう?
この本を好きな人にプレゼントをするってどんな本なのかな?
そんな気持ちで読み出しました
漱石らしい口調で ゆったり進行していく感じ
怠け者の男と つかみ所のない変わった女性と旦那さんの三角関係に…
恋に落ちていく様の描写が良かった
でも最後は やっぱり駄目な男だなぁと
いう気持ちになってしまった
女目線と男目線違う感想になるんだろうな(*^_^*)
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『門』の次に読んだ。漱石らしい文体で淡々と進んでく。それが結構読みにくく、中盤で飽きてしまった部分もあった。
個人的な山場は代助のニート弁解論とラストの鬼気迫る描写。
「何故働かないって、そりゃ僕が悪いんじゃない。つまり世の中が悪いのだ。もっと大袈裟に云うと、日本対西洋の関係が駄目だから働かないのだ」から始まるニート演説はまさしく声に出して読みたい日本語。
クライマックスの「焦る焦る」「ああ動く、世界が動く」につながる場面のスピード感は圧巻。ニートできなくなることへの絶望の強さが切々と伝わってくる。
主人公が最後までだらしなく、途中読むのが辛い所もあるが、上記二ヶ所だけで読む価値がある作品になっている。