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みんなのレビュー53件

みんなの評価4.4

評価内訳

53 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

茫乎と

2008/09/05 19:19

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 戯れに傍らの白い紙に悪戯書きをしてみる。天の余白に<『それから』相関図>と大書する。左側に両矢印の線を引き、上に「富」、下に「貧」と書く。今度は下部に同じように両矢印の線をひき、左側には「貴」といれ右側は「俗」とする。左側は「意思」としてもいいかもしれない。そうすれば右は「行動」だろうか。次に左側上部の空白に点をいれる。やや大きくいれてもいい。物語の主人公なのだから。点の近くに<代助>と書けば分かりやすい。その点と極になるところ、すなわち右側下部に別の点をいれる。ここにも<平岡>と代助の友人の名をいれてみる。つまり点<平岡>は、貧であり俗に片寄ったところにある。<平岡>の妻三千代の点は、先につけた二つの点を結ぶ真ん中あたりが落着きいいかもしれない。貧しさということでは点<平岡>と同じ高さでもよい。
 夏目漱石の『それから』の登場人物を図にしているばかりだ。代助の父や兄はもちろん上流生活を営んで豊かであるから上部でいいが、俗ということでは右側にある。ただ点<平岡>を越えることはない。嫂梅子は代助に言わせれば俗なのだが、私的には三千代と上下の対極する箇所に点をうちたいところだ。この物語の概ねの登場人物の点がこれではいったことになる。代助と三千代を除く点をひとつの囲いにして<世間>と書いてみた。<社会>とでもいい。あるいは、代助の言い草のように<敵>としてもいい。代助と三千代の点が淋しそうだから二つの点を線で結ぶ。線の上に<愛>と書く。あるいは<追放>と書いてみるか。
 それから、点<代助>を中心にしてぐるぐる渦を書いてみた。その際には「ああ動く。世の中が動く」と、物語の最後の代助の言葉を唱えてもよかろう。先に代助と三千代の間に引いた<愛>の線がゆがんでみえる。代助が行った行為が<世間>という枠組みからみればいかに馬鹿げたことであるか、どのように代助が釈明しようと、渦は強くつよくひく。やがてその渦が<世間>の囲いの中にはいってしまうまで。代助は「ただ職業のために汚されない内容の多い時間を有する、上等人種と自分を考えている」「遊民」ではあるが、実際には愛する三千代ひとりさえ(もちろん友人の妻であるという障害があったとしても)仕合せにできない存在なのだ。兄がそんな代助を「不断は人並み以上に減らず口を敲くくせに、いざという場合には、まるで唖のように黙っている」と罵倒するが、そこにはなんら論理的矛盾はない。<世間>は正しい。しかし、という気持ちは誰にでもある。そのしかしは、三千代との間を結ぶ線があるからだ。斯様に<愛>の感情ほど強いものはない。
 漱石の『それから』はただ恋愛小説としてだけ読むのは勿体ない。登場人物たちの、それぞれの位置関係を描いてみればより深い人間ドラマが見えてくる。代助の書生の門野の点はどこにうつか。友人として点景されている寺尾、この人物は結構面白い人物である、はどうか。そうして、代助の渦が白い紙を黝々と塗りつぶした頃、ただ茫乎(ぼんやり)と、はてさて自分の点はどこに打つべきかと思うばかりである。

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紙の本

軽いノリで不倫しちゃうより、道ならぬ恋に懊悩する方が、男っぷり・女っぷりが上がる…と考えさせられる名著!

2001/02/26 00:24

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「あんまり本を読まない人が増えているが、旧い本を読むことほど、前向きな行為は他にないのである」という素敵な言葉を、山川健一氏の著書『不良少年の文学』で見つけた。その影響もあって漱石の本を意識的に読んでみようという気になっている。

 が、漱石の本はなぜか一気にも、まとめても読めない。じっくり味わうことを強いられる。決して苦痛というのではない。一日に20ページぐらいずつ読んでは、その部分を味わう。本を閉じて日常生活の中で引きずるように思い出しては考える。
 考える中身は、真面目くさくて嫌味に聞こえるかもしれないけれど、「生きるとは?」「人を恋うとは?」といったこと。哲学する機会の訪れを楽しむことになる。

 そもそも読書の目的の一つは、哲学するきっかけを得ることだ。「bk1に書評投稿してお小遣いを稼ぎたいから」という下心が優先すると、ついつい読みやすい本を日に3冊などというペースにハマってしまう。「読んで書いて稼いで楽しときゃいいさ」という気分も大切。でも、自分を耕す読書がなおざりになってはまずい。消費するような読書では、もったいないと反省する。

 「恋」も同じではないだろうか。
 「あなたが好き。今の私には、あなたが必要」と言えずに深く思い悩む。それを相手に伝えて受け入れてもらうことは至上の喜びだけれど、安易にそうしてしまい、その恋を終え、また新たな恋を…という循環をこなしていくのは、ただの消費かと思う。
 むしろ、あふれ出さんばかりの思いを身の内にかかえて、この切なさを今日はどう乗り切るかという日々の方が、辛いけれど人生にとっては大事だという気がする。それがまた楽しい。「禁欲を知る者が真の快楽を得ることができる」というのが私の考え。

 この本は、今風に言えば「不倫」の恋の話。しかし、この言葉はどこか計算高いゲームのような響きになってしまってイヤだから、やはり「道ならぬ恋」というのがしっくりする。

 主人公の代助は、大学を出たあと、実業家の父や兄の援助を受け、働くことなく家を構え、書生やお手伝いさんを置き、好きな本ばかり読んで暮らしている。結婚を薦められるが、経済的にも夫婦関係面でも苦境にある友人の妻・三千代のことが気になり、縁談を断り続けている。

 今なら「離婚してもらって再婚でもすれば?」というところだが、明治の社会では、人妻を恋い、それを成就させたいと願うことは、人の掟に背き身を破滅させることを意味していた。
 代助にしてみれば、親の援助を放棄して自由な趣味生活を諦め、その代わりに三千代への愛を取るというシビアな選択になる。彼は理性では分かっていながらも、「自然」にかなった破滅の道を選ぶ決意をするのである。

 恋の苦悩を描きながら、倫理が失われつつある明治という新しい時代を嘆いている。それを「20世紀の堕落」と呼んでいる。
 設定はクラシカルであっても、代助の懊悩には、100年たった今なお普遍的である「個人」と「社会」の在り方というものを、じっくりと考えさせる深みがある。
 本当に、読みつがれていくべき堂々たる名著なのである。
(岩波版は脚注がマニアックなぐらい丁寧で楽しめます。) 

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紙の本

それから

2020/10/03 16:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る

就職を拒否して、父の仕送りで生活し、書生まで置く高等遊民の代助が、以前思いを寄せながらも、親友のために結婚の中を持ってやった人妻と思いを遂げる話。高校生のときに始めて読んだ際には、父から勘当され、親友と絶交しながらも、意中の人と結婚し、職について新しい生活を送る話かと思っていたが、今改めて読んでみると、ところどころに死をイメージさせる場面があり、さらに親友と談判する場面や、職を求めて町に飛び出す場面は狂気すら感じさせる。こんな小説だったかと思い直した。

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紙の本

花と街に焦点を当てながら再再読...ぐらいか。

2020/10/02 14:54

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る

久しぶりに手に取ったら、文豪が作り出す物語といったら、事件がない、描写が長い。なのに飽きない、物語の先が早く読みたいと思わせるのが、夏目漱石の凄さかなと思う。
資産家の父の脛をかじる「高等遊民」...つまり現代語で言うところのニートの主人公・代助(しかし、当時のそれは半端でなく裕福で、神楽坂に家を持ち、手伝いの婆さんと書生もいる)が、親の勧める資産家の娘との縁談を断り、友人の妻を選ぼうとして...というストーリー自体は有名だから言わずもがな。
それでも再読を重ねるのは、この物語の場合、たとえば、季節の花で彩られた美しい描写がココロに残ったりしてたから。
たとえば、物語のはじまりである春。まどろみから目覚めた代助の枕元の畳の上、八重の椿が一輪落ちている。何かの伏線か?とも思わせる印象的なシーン。
あるいは、初夏。代助は「大きな鉢へ水を張って、その中に真っ白な鈴蘭を茎ごと漬けた。むらがる細かい花が濃い模様の縁を隠した。鉢を動かすと花がこぼれる」とある。
彼は、その鉢のそばに枕を置いて、花の香をかぎながらしばしうたた寝をする。
...というような感じ。
物語の根底を流れるのは、ささやかな将来への不安で。主人公は、解消できない不安を抱え、ウロウロと街をよく歩く。住まいの牛込見附から、飯田町を経由して九段下の古本屋。飯田町から小石川方面へ、大曲りを通って、伝通院、本郷へ...。そのよく知る街の描写も丁寧に読み進む。
文豪たちの物語は、ストーリーをやみくもに追うのみならず、いろいろな読み方が許される懐の深さが好ましいところ。

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紙の本

究極のラブストーリー

2018/06/25 17:02

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:けんたん - この投稿者のレビュー一覧を見る

「高等遊民」として優雅な暮らしを送っていた代助。
その暮らしを捨ててまでも,友人平岡の妻・三千代と生きようと決意する。
三千代は,今の平成の世の中にはいないタイプの奥ゆかしい女性であり,代助が魅かれるのも無理はない。
最後の,平岡のやり方には,読んでいて驚き,腹が立ったが,そもそも悪いのは代助であり,仕方あるまい。

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紙の本

人間として経験しうる、ぎりぎりの現実

2016/09/06 00:15

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

―「あゝ動く。世の中が動く」と傍の人に聞える様に云った。彼の頭は電車の速力を以て回転し出した。回転するに従って火の様に焙って来た。是で半日乗り続けたら焼き尽す事が出来るだらうと思った。・・・代助は自分の頭が焼け尽きる迄電車に乗って行かうと決心した。―
 主人公長井代助が狂人のように振る舞うこのエンディングは、社会との軋轢に自己を見失い分裂する、その後の漱石作品における典型的登場人物を映し出した最初といっていいかもしれない。
 代助は、大学を出ても定職をもたず、裕福な実家の世話になりながら生きている、当時の言葉でいえば「高等遊民」、今の言葉でいえば「ニート」という人種である。彼の場合、高等遊民であることを卑下することなく、逆に誇りをもち、「食うために働」き、音楽や芸術をたしなむ余裕ももたぬ世間一般の人間を軽蔑し、誠実と熱心を宗とする父親に対してもつねに冷ややかな態度を貫く。結婚にも無関心を装う彼は、兄嫁をはじめとする身内の勧める縁談をのらりくらりとかわして、まわりをやきもきさせる。純粋の愛に重きを置く彼にとって、社会的慣習としての結婚は無意味でしかなかった。
 そんな代助が見いだした純粋なる愛の対象が、親友平岡の妻三千代であった。かつて彼はみずから思慕を抱いていた彼女を、純粋で一途な友情から平岡にゆずった。しかし彼らが生活に困窮し、夫婦の関係も冷え切っていることを知った彼は、三千代を不憫に思いつつ、ふたたび彼女を愛し始める...
 この小説においては、主人公の葛藤が、何の価値判断も交えずに描かれている。家族や社会の恩恵をさんざん受けながら、世の中をなめきったような代助の態度は、とうてい賛同しえない、非難に値するものである。三千代の窮乏を救うため金を無心にきた彼にむかって、兄嫁が言い放った「(あなたが)無能力な事は車屋と同(おん)なしです」は、そのような非難を代弁したものである。だが、物語の描写それ自体に彼についての非難めいた調子はない。
 一方、友人や親兄弟と決別してでも、三千代との愛に生きようと決意をした代助の内面についてもまた淡々と描かれており、それらを美化、正当化するような筆づかいなどなおさら見られない。
 つまりこの主人公は不道徳で、逃避的だとか、逆に、たとえモラルに反しても自分に忠実に生きるべきだとか、その手の批評、教説めいた描写は一切加えられず、ただ一個の魂がままならぬ現実に突き動かされ、社会によって押し潰され、破滅へと向かうさまだけが、いかなる主観も交えず描かれている。それだけに、特に物語後半では、情念と苦悩とが行間にほとばしるのを感じる。何度もいうが、ここに描かれるのは、いい、悪いという道徳問題では決してない。人間として経験しうる、あるぎりぎりの現実である。そしてこれこそ、文学が本来扱うべき世界といえないだろうか。

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紙の本

絶望的なまでに自分自身であろうとすること

2005/11/15 01:15

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:わたなべ - この投稿者のレビュー一覧を見る

突然思い立って再読してみたら、設定がやけに現代に通じていて驚いた。「高等遊民」である主人公代助の立てる理屈はまるで「ニート」だし、日露戦争後のブルジョワ隆盛下の不景気(儲けているのは株屋ばかり、という台詞もある)という時代背景や、銀行を失職して三流新聞社に雇用されている借金に苦しむ友人や、急激に西欧化することを選んで「一等国」になってみたものの、道徳が荒廃し内実がともなっていないと日本のありようを批判しながら、もっとも批判するべき欺瞞の対象である新興ブルジョワの父に庇護されて「自由」を得ている自分というジレンマ、主人公がその友人や父から「社会に参加していない」とか「何かをやってこその人間だ」とか最近よく耳にする類の批判を受けるところなどなど、なるほど資本主義というのは歴史を構造化して状況を反復させる装置なのだなあとしみじみしてしまう。
やたら理屈っぽい主人公がえんえんと文明批判を繰り返す語り口はユーモアに乏しく一篇の主題たる「姦通」も、そこにいたる展開は唐突でいわゆる恋愛小説的な心理描写はほとんど見られない。むしろ夥しいほどに描かれる植物や天候の不穏な記述が、冴えに冴えていく主人公の感覚が、ひたすら論理的であることに拘り内面の一貫性を維持しようとする主人公の自意識とずれていく「狂気」を描いているように思えた。
「湯のなかに、静かに浸つてゐた代助は、何の気なしに右の手を左の胸の上へ持つて行つたが、どん/\と云ふ命の音を二三度聞くや否や、忽ちウエーバーを思ひ出して、すぐ流しへ下りた。さうして、其所に胡坐をかいた儘、茫然と、自分の足を見詰めてゐた。すると其足が変になり始めた。どうも自分の胴から生えてゐるんでなくて、自分とは全く無関係のものが、其所に無作法に横はつてゐる様に思はれて来た。さうなると、今迄は気が付かなかつたが、実に見るに堪えない程醜くいものである。毛が不揃に延びて、青い筋が所々に蔓つて、如何にも不思議な動物である。」
「狂気」の徴候はこんな描写にあるのだが、不思議なことにこういった描写にはなんともいえないユーモアがある(引用部分などはベケットの戯曲を思わせる)。もっともこのような描写は主人公の内面と結びつけて考えるよりも、むしろ主人公が意識できない外部の存在を示唆していると考えた方が面白い。ことに前述したような植物群の描写は、自己の内面を分析(内省)によって論理的に一貫性を保とうとしている主人公の自意識を常に脅かす他の生(他者)として立ち上がってくるもののように思う。それくらい、植物達には「意味」が欠けている。そしてこのことは主人公がいくら自己同一性を保持しようとしても、その「自己」は彼が置かれている環境(状況)の「結果」でしかないことを示唆し、世界の大きさを主人公に不安として知らしめているので、だから小説の結末で世界が赤く染まっていくのは、むしろ主人公がみずからの内面(狂気)によって世界を覆い尽くそうとする絶望的な行為であるように思えた。

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やはり『難しい』。

2024/05/07 21:51

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は小学校高学年期に読了しましたが、齢49歳にして(49歳というと漱石の生涯の年齢ですが)この度再読と相成りました。38年程の年月を空けて本書を読了し、私はどんな感想を抱いたか。結論、難解でした。これは小学校高学年期と同じでした。徒に歳を重ねたのだから、漱石の考え方や物事の見方を理解出来るだろうと思いつつ読み進めましたが、駄目でした。
 巻末の解説に相当助けられました。この解説が無ければ深掘りが出来ませんでした。解説を読んでいると、本書の随所に於いて確かに「嗚呼、成程」と首肯出来ました。
 ところが一方で一抹の疑念が湧出します。解説にあるような深読みを漱石は意図していたのだろうか、と。その理由として、本書が新聞に連載として寄稿されていた事、本書内の世相が当時に於いてリアルタイム的であった事があります。
 解説にある様な重厚な読み込みは全く以て否定などし得ないのですが、其処までの深掘りがどうしても必要だとは、思えませんでした。連載物であった以上、連載前から『入念な』構想を練る事はかなり難しいと思います。それが故にか、本書の最後も未来的な展開の余韻を残してブツ切れのような印象でした。3部作目の『門』へと続くという事を意図しての終わり方だとするなら、なんとも凄い構想だと感じます。ただこれは本当に『一抹の』疑念です。

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2004/09/22 14:37

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2005/02/14 21:27

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2005/02/20 01:36

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2005/10/25 19:37

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2005/12/13 13:19

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2006/03/27 01:52

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2006/06/09 07:01

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