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「私の一押しは、江戸の随筆の白眉、根岸鎮衛『耳嚢』(岩波文庫)です。今まで「小さい・高い・とっつきにくい」三重苦の東洋文庫でしか読めなかった。隠居した奉行所の役人が、市井の噂から政治の話までごちゃごちゃと書いてます。一つの話が一ページとかせいぜい二、三ページだから、どこからでも読み散らかせますよ。『通勤の友』にぴったりじゃないかな」
「『文庫』の大航海。」(杉浦日向子+佐高信)
『日本人の死角』(徳間書店、1993.9.30所収)
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江戸時代、檀家制度などで宗教の力が著しく後退したころにささやかれた、噂話集。どこから読んでも面白い。一応、「女中がヘアメイク中侵入した泥棒に会って叫んだついでに顎が外れた」話とか、狂歌の話も入っているが、非人に風の神の格好をさせて追い払う儀礼、呪詛の人形を拾ったために不幸になった人の話、なども収録。
風呂屋の番台である渡辺喜三郎(狂歌の世界で有名)が、呪詛の名所だったらしい近所の稲荷神社へ行って、呪いの人形へツッコミの歌を張り続けたところ、調伏の儀礼がやんだという興味深い話がある。
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お化けの話は意外と少ないです。その代り多いのが下ネタ。チンチンが大きい男を主人公にして悲話をつづる、中々の技です。
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江戸中期に奉行職を歴任した根岸鎮衛(一七三七‐一八一五)が同僚や古老の話を書き留めた随筆集。
猫が人に化けた話、安倍川餅の由来、塩漬にされた河童の事、都で欺かれた好色漢の話等々、珍談・奇談を満載した世間話の集大成。
上巻には巻一~巻三を収録。