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「水性と油性?文房具かよ」と思ってしまったが、著者によると以下のように定義づけている。水性文化は、ほとんど単一民族国家で、その一方の油性文化は多種多様な民族、宗教、人種が基盤となっている。その他の違いとして、水墨画(中国から伝来)と油絵、食べ物では「淡白なもの」と「油っこいもの」としている。
本のタイトルからして面白そうなので思わず買ってしまった。こういう本がひっそりと置いてあるところなど、さすが本のワンダーランド神保町だけのことはある。
よく誤解されていることとして著者が指摘しているのが、「根回し」だ。アメリカのような油性文化にはまるで存在しないかのようなイメージがあるが、実際には存在する。ただし、根回しといっても「油性文化では、相談を受けた離話を事前に持ち込まれた人は、話の内容よりもそのこと自体を重視するようである」といったように、違う面がある。
時間の観念について水性と油性では違いがあると著者は指摘している。履歴書を例に挙げているが、日本の企業は古いことから順に新しいことを書いて行く。その一方で英語のレジュメでは新しいことから順に書いて行く。履歴書の書き方に関しては、油性方式がモクモク羊には合う。仕事自体、新しいタイプの物なのでそんな5年、10年前のものを先に上げてどうするのよと思ってしまうからなあ。
この本は、1991年に出版されたもので、著者はアメリカン国際経営学大学院外国部日本語科助教授。この学校の名前は、現在サンダーバード国際経営大学院になっている。今読んでも参考になるところがあり、興味深く読み進めた。
サンダーバード
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%89%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%B5%8C%E5%96%B6%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E9%99%A2
サンダーバード(英語)
http://www.thunderbird.edu/