異貌の科学者 みんなのレビュー

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投稿者：kokusuda　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

小山氏は早稲田大学社会学部教授なんですが
応用物理学科卒で理学博士です。
最近は早稲田大学オープン教育センター所長に
就任していて多忙のようです。

科学史上に燦然と異彩を放つ四人の天才、
ひたすら自己の好奇心を満たすためだけに研究に没頭し、
その偉大な成果を発表することなく亡くなったキャヴェンディッシュ、
19世紀末から20世紀初頭に吹きあれた“科学革命”の嵐の中で
一人自分の信ずる世界を守り抜いたケルヴィン卿、
生涯に三つの奇想天外な予言を行った天才ディラック、
恐竜絶滅の謎にいどんだ物理学者アルヴァレズ、
これらの人々のまさに異貌の生涯を紹介する。
（カバー解説より）

この本は４人の天才の生涯を紹介しています。
現在のＳＦにも影響を与えた天才科学者たちです。
彼らの研究がなければこの５０年間に発表された
ＳＦ作品は全然、別の形になっていたでしょう。
天才の生涯はドラマチックで感動的ですらあります。
この天才たちを魅了した科学の持つ想像力という
魅力を感じてほしいと思います。

個人的にはディラックの残した「三つの予言」に
興味がありました。
宇宙論に非常に関係があり、科学の究極の問題
（宇宙は何故できたのか？）の解明の鍵になるかもしれないからです。
私達のいる宇宙ができた方法（メカニズム）は研究が進んでいます。
しかし、できた理由（できる前はどんな状態で、できたきっかけは
何であったのか？など）はまったく解明できていません。
ディラックの残した「三つの予言」に挑戦する科学者は出てくるのでしょうか？
ディラックのあとを継いだホーキング氏辺りが有力かな？と思っていますが（笑

少し以前の本ですから最新の研究結果は反映されていませんが
面白いです。
文系の科学者というとアシモフ老師を思い出させますね。
文体も少し似ていて「理系は少しにがて」という方も
読みやすいと思います。
数式やグラフは３箇所ぐらいしかありませんから（笑