紙の本
夢野久作の世界。
2002/07/20 01:23
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投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ページを開くと、旧仮名遣い、繰り返し記号、難読漢字、振り仮名、三点リーダ、(「…」のこと)……が読者を待ち受けている。夢野久作の作品に限らず、昔ではあたりまえだったのだろうが、その奇妙な文字列自体が夢野久作の世界の一部を担っているような気さえしてくる。社会的弱者が多く登場し、暗い世界観でありながらも、どこか奇妙な明るさと滑稽味がある夢野久作の作品郡。興味深いが、なかなかに難しくもある。
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めまぐるしい
眩しい
ゴミクタ
卵
☆童貞
シヤン
☆怪夢
工場
☆白菊
マキリ
おめざ
☆SOS
毛唐
☆木魂
自分の魂をその絵に傾注しすぎて元のとおりのしっくりした性格に帰れなくなったので、その結果すっかり分裂して遊離してしまった個々別々の自分の魂から夜も昼も呼び掛けられるようになってしまったのだ。
ファナチック
杉山茂丸
梅津しえん
只圓
解説242〜アツイ!堀切直人
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夢野久作。しっかり読んだの初めてかも。
イヤ~な汗かくね。
でもなんか癖になる。
人間の本質的な部分って時代が変わってもあんまり変わらないのかなあ…。
狂気的なものを垣間見てしまう怖さがじわじわ迫って来ます。
すげえな。
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思いのほかサラッと読めて
ゾクリとしてモヤっとなりました
SOSボーイ…OH…
内臓が重くなった気が
心がザワつきますね
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夢野久作
1889.1.1-1936.3.11(福岡生、47歳没、脳溢血)
「人の顔」
孤児院から船乗りの家に貰われてきたチエ子。養父は航海に出ると養母と女中との暮らし。空や壁をみては人の顔にみえる、という口数すくない子。ある日「あの顔は、お母さんと仲良しのオジサン・・」と言う。
チエ子は孤児なので船員夫婦には無い遺伝子のある子なのだ、そこが不気味。
「卵」
隣の家に越してきた少女が引っ越してしまった。三太郎は庭に卵をみつける。やがて卵を抱いて眠るようになるが・・ 卵は引っ越していった少女の思いが形になったものだったのか・・
「微笑」
可愛らしいお河童さんの人形、何処をみているかわからないままニッコリ笑っている。私はそのすべすべした肌の光が無性に悲しく、腹立たしく、自烈度ったくなり、ふみ壊してしまう。・・ガラスの片目だけが残った・・
わずか2ページの詩のような作品だが、人形と私の間に感情が行き来したような世界観。しかもあまり気持ちの良くない・・
「人の顔」(「新青年」1928.3月号)
「卵」(「猟奇」1929.10月号)
「微笑(ほほえみ)」(「猟奇」1930.2月号)
1991.4.25初版第1刷 図書館