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古典を読み直す。全然古さを感じさせない面白さがある。また、数年前に見た新しい方の映画の映像を珍しく鮮明に思い出してしまった。
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ミミズかモグラの国
昭和生まれのワタシにとって、久しぶりのおもしろいSFでした。表題作よりもワタシには「盲人国」はひきこまれました。何だかミミズの国かモグラの国に迷い込んだような心細いお話でした。主と客、自と他についてよく考えないと…
日本の筒井康隆さん・村上春樹さんにつうじるトンネルのような不思議な体験でした。
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表題作のタイム・マシンはもちろん、他の作品も面白かった。
新加速剤で服が焦げるところ(観察が鋭い)と、盲人国で晴眼の主人公が頭おかしい人扱いされて手術されそうになる(もし私たちにない感覚を持つ人がいたら、私たちの社会でもそうなるのかも)のが印象に残った。
SFというよりファンタジーじゃないかというのもあったけど、どれも人間の本質を描いていると思った。
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老若男女問わず、誰もが一度は願う夢。
「もし、あの頃に戻れたら」「未来の出来事を知ることができたなら」
昨今さまざまな時間旅行の物語があるが、ウェルズがこの作品を書かなければ、現代における時間旅行物語の数々は、まったく別の様相を呈していたのではないかと言われている。
そもそもこのH.G.ウェルズという人が凄い人で、様々な分野において幾多の功績を残したというのである、解説によると『彼の呼吸を思いつくままに挙げてみても、風俗小説家、社会主義者、大衆啓蒙化、科学者、ユートピアン、フェミニスト、預言者などきりがないほど』と書かれている。
本作に登場するウェルズ式のタイムマシンの場合、形状は自動車タイプで、時間軸を移動する際、周囲の景色の変化が見て取れる。そして、移動中に自動車の位置座標は変わらないままだが、未来(または過去に)その座標へ何らかの物質(ビルなど)が存在する場合、衝突はしないのだろうか?
そう疑問に思われる方もいるかもしれない。
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」では、事前に移動先の状況を把握しておいてから移動することになるし、「ドラえもん」では四次元空間を移動する形状のタイムマシンを使用することで、それらの不具合を改善している。
「ドラえもん」の例を見てわかるように、理論的な観点から近年では三次元でのタイムマシンはあまり使われなくなった。当時は考え抜いて書かれたタイムマシンの表現方法も今では古くなってしまったということだろうか。
ともあれ時の流れは常に一定であるという常識をまるで科学的に覆した、本作「タイムマシン」はSFの先駆けであり、はじめて読む方には、未開拓の地へ乗りだすような興奮と、程よい高揚を与えてくれることは間違いない。
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SEの名著、代表的なタイムマシンだが、よくここまで想像で書き上げたなというのが思ったこと。
知的好奇心に突き動かされて、科学者が向かったのは92万年後、そこに人類はいるのだが、いたのは退化し、独自の変化を遂げた2つの種族であった。
その他、8編もタイムマシンとは全く違うアイデアで面白い。
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表題作は初期の時間移動物として『クリスマスキャロル』と並べて語られることの多い作品である。『クリスマスキャロル』は強制的に過去の自分の姿を眺めさせられる話だが、こちらはデロリアンなどに近く、自分の意思で時間移動を可能としている。
1900年頃の作品なのに、全く古びておらず、既に一つの完成形であるから、時間旅行を描きたいと思った後のSF作家にとっては高いハードルであろう。
少年ジャンプにおける『スラムダンク』のようである。
他の作品もしっかり面白かった。
『盲人国』が好き。
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著者ハーバート・ジョージ・ウエルズは、19世紀後半から20世紀前半に、文学だけでなく政治の分野においても業績を残した人物だという。文学も、SF作家、ジャーナリスト、歴史家、科学者など多様な分野で活躍したらしい。
1895年に描かれたタイムマシンの素材は、ニッケルと象牙、無色の水晶。美しいものを集めた感じだが、時間を超えるための動力というものが考慮されていない。最近のタイムマシンでは、核融合や原子力というようなものがつきものだが、そのような概念が無かったか、あまり有力視されていなかった時代だとすると、そんな中でこれだけの時間旅行物語を描いたことはすごいと思う。
タイム・マシンほか、10の短編が収められている。新加速剤など、ある程度の科学的考察が加えられていて、単なる空想物語に終わっていないところが、また面白さをアップさせている。
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「タイム・マシン」★★★
「水晶の卵」★★★
「新加速剤」★★★
「奇蹟を起こした男」★★★★
「マジック・ショップ」★★★
「ザ・スター」★★★
「奇妙な蘭」★★★
「塀についた扉」★★
「盗まれた身体」★★
「盲人国」★
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タイム・マシン、水晶の卵、新加速剤、奇蹟を起こした男、マジック・ショップ、ザ・スター、奇妙な蘭、塀についた扉、盗まれた体、盲人国が集録。
盲人国が一番怖い。話が通じないことの恐怖。相手の常識でこちらが狂人だと判断されることの恐怖。
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表題作だけでなく、他9篇もすべてまさにウェルズの世界。これらの作品が1890年代から1910年代にかけて書かれていたことにまずは驚き。特に『タイム・マシン』はSF映画を観ているようで、すっかり引き込まれた。紀元80万2701年後の未来、そして3000万年後の未来ははたしてどのようなものであったのか。たしかに今の世界の動きがこのまま進めば、ウェルズの書くような世界にそれぞれ至るのではないか、そのように思わされた。それだけのリアリティがあった。『タイム・マシン』以外では、特に『ザ・スター』が壮大でお気に入り。