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適塾の前は、よく歩いて通るけど、あんた達…ンなことしてた訳ね…な、福翁大阪時代。 そして、好きで来たのはそうなんだが、皆 に観察される気持ちを「嫁いだ女性の気持ちが分かる」と表現している咸臨丸での渡米経験。
「江戸で火事が起これば釘ひろいがウジャ ウジャ集まるのに、アメリカでは鉄製の缶 がゴミでガンガン捨てられててショック」 など、素朴な着眼点が一々しみじみさせる、そんな波乱万丈がメチャメチャ楽しい 一冊。下期トップ5位入りは硬い。
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波乱にとんだ福沢諭吉の自伝。清廉潔白な人物ではなく、ヤンチャで豪快な逸話も数多く載っていて面白い。常識にとらわれない発想力と、たぐいまれな行動力を備えた人だったと伝わってくる。
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(旧)一万円札のあの姿ではなく、老齢になった福沢諭吉とご飯でも食べながら話を聞いているような、そんな感覚で楽しく読める本でした。
既存の枠に捉われず、自身の頭で考えることができ、かつ過度に自身を飾り立てずに振る舞える人であることがよく伺えます。
印象に残った点としては、以下になります。
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◽️公平性
どの様な人にも、分け隔てなく接して、かつ相手によって自身の態度を変える人を軽蔑していたようにみえますが、そんな福沢諭吉でも、車夫、馬丁など特定の職業に対する差別的な記述があり、意外でした。当時の一般的な感覚であったと思いますが、どれだけ合理的で賢くとも乗り越えられない偏見はあるのだと考えさせられました。
◽️教育
学問の世界に生きてきたにも関わらず、子息の教育には身体を鍛えることを重視していたことが意外でした。この点は自身の教育方針とも少し一致しており、何故か嬉しかったです。
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江戸や明治と言うと遠い時代に感じられますが、この本を読むといっきに身近に感じられ、その時代を生きた聡明な老人が貴重な経験談を語りかけてくれる、そんな気分を味わえる本です。