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小川さんの作品は、いつも私を冬の雨の日に連れ去ってしまい、読了するまで決してそこから出してもらえない。
むせかえるようなジャスミンの香りと過去の記憶。
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2007.08. 最近また、小川さんの紡ぐ言葉に心が鎮められる。デビュー間もない作品なのに、色褪せないし遜色がないように思う。静かな世界に浸る少しいびつな主人公が、こちら側へ帰ってきたのが残念な気もした。それにしても、どこまでも静か。それなのに、感情は生々しいくらいに伝わってくる。今の私に必要な世界。
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突発性難聴になった主人公がそれを乗り越えるまで。
非常に不思議な読後感。
途中なんだかやりきれない気持ちになるが、最後は
ちょっと救われる感じ。
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恒常的に本を読んでいると「あっ自分が今ステップアップしたな」と感じる瞬間があり、それが今回この本を読んでいるときだった。本の中にある、読みたい感情、ひたりたい時間を感じた、というそれ以外のこと。前回はっきりそれを意識して覚えてるのは、このブクログの始めのほうに書いてある、本を読む醍醐味=頭の中に組み立てられていくこと、の存在。今回については、明らかに当たり前のことをこう、天下を取ったように書くのもあれだが、誰も何かを書くのに何かを通しているな~ということ。それをすごくすごく、感じた。
村上春樹の影響をすごく受けてるんだな、というのも読んでいて面白かったけど、それが発見のきっかけだったというか。この人は何かとにおいや視覚、聴覚などの感覚を大事にしている(おうし座なのかな、と思った)けれど、感覚の中にある、誰の中にもきっとあるだろう場を書こうとしているんだなとすごく感じた。記憶がどうこう、なおるどうこう、愛情どうこうは関係なく、耳の記憶をとおしてかんじられる場所をずっと、ただ見てつながっていたかったのかなと思う。そして、最近は、作家ってそういう職業なんじゃないかな~と思ったりしている。
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音、香り、感触、視覚・・・と感覚が敏感に研ぎ澄まされる。
こんなにも魅了される手、どんな手なのだろう・・・。
異空間に引き込まれた。
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突発性難聴になった私、は、入院を繰り返し、その関係で速記者のYと出会った。
既に夫は他に女を作り、この耳は不快な耳鳴りだったり、バイオリンの音を奏でて困惑させ、
時折よみがえる、十三歳の少年の記憶が覆い被せるようにせまってきて、
心細かった。けれど、速記者であるYの繊細な指や甥のヒロが、傍にいてくれた。
十三歳の少年とYの関係。たくさんの記憶に埋もれたその中の一つである記憶の断片。欠けてしまった記憶、肉体よりも先にどこかへ行ってしまった記憶、
それを取り戻してくれたのは、Yの指だった。
古い本やなー。
もっと丁寧に読めばよかった)^o^(
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埃が薄く積もった椅子に薄く開いたカーテンの隙間から注ぎこむ斜陽。
後悔も決別も柔らかく沈殿してゆくのです。
毎度思うけどこの人熱烈なタイガースファンなのな。六甲おろしとかまるで合わん。