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壮大なドラマ。
歴史に基づいた設定でイラン・イラク戦争についても学べる。
二人のハジ(巡礼者の意)と名乗る日本人の物語。
実際には全く関わりのない2人の運命が絡み合う。
泣けます。
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4月20日読了。「このミステリーがすごい!」1993年度の第1位、国内総合でも22位の作品。イラン・イラクからの分離独立を目指すクルド人、イラン・イラクイスラム革命を成功させようとする革命防衛隊の闘士が翻弄される運命と、その間をたゆたう「ハジ」と呼ばれる2人の日本人の運命とは。骨太で、実に面白い物語だった。この本にあるとおり、イスラムであれ何であれ現実世界では革命・テロリズムは常に利権をめぐる人々の思惑、異なるイデオロギー、平凡な生活を望む思いによって当初の希望の輝きを失い、存在意義すら見出せなくなっていくものなのだろうか。
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中東の混乱・・民族紛争の痛いほどせつない悲しさが溢れているメッセージ性の強い作品。強烈なインパクトをうけた。
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イラン革命後の話…でいいのかな。理解力足りないけど、おもしろいから必死で読んだ。なんか自分が全然知らない世界。武器商人とか、中東の情勢とか、少数民族の独立問題とかさ…。2人のハジが最後に出会うシーンはゾクゾクした。
どうでもいいけど、「蝦夷地別件」然り、少数民族に銃を与える話が好きなのかしらこの方?
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船戸与一の最高傑作だと思う。
中東の複雑な民族紛争の中に弾けるバイオレンス。
約20年前に初めて読んだ時は、本の分厚さとその内容に度肝を抜かれた思い出の一冊。
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1980年代の砂の国で行われる処刑はいつまでも終わらず、
ハジと呼ばれる日本人を中心とした年代記はいつかは終わる。
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600ページもある大作だった。間違いなく途中で頓挫するタイプの本だと思ったけど、貪るように読んだ。文章力とか構成力とかそういう次元を超えて、こうも惹きつけさせるのは何故だろう。
クルド人が関係する本は以前、「トルコのもう一つの顔」(小島剛一)の本である程度は把握していたけど、この本でクルド人に関わる問題を少し把握できたかもしれない。イスラム圏で起こっている現実もなんとなく理解はできないけど、現実はこうなんだと。クルドは以前から個人的にキーワードの一つと思ったけど、確信したかもしれない。
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内容(「BOOK」データベースより)
それは、現代史大逆転の、最後の賭け。二万挺の自動小銃に託された、壮大なるロマン。ロンドンからモスクワへ、そして戒厳令下のイランへ。日本人武器商人〈ハジ〉は、ひた走る。歴史の隠された真実を明かしながら。煮えたぎる情念をまき散らしながら。物語作家としての天才と、メッセージのすべてを叩き込んだ未曽有の巨編。
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時はイラン革命後間もない1980年からイラン・イラク戦争停戦後の1989年。舞台は中東。イラン革命の昏い炎に包まれた若者、クルド人国家樹立を画策するクルドゲリラ、彼らに武器を調達する武器商人らを中心に物語は進む。宗教、民族、イデオロギーの様々な対立軸があることを学べた。特に“国を持たない最大の民族”と称されるクルド人のイデオロギーは、非常に根深い。裏切りや憎しみが合いまみれる、多様な人物達の“死に様”も印象的。
ハードカバー三段組で600頁弱、原稿用紙換算で1,600枚弱の超大作。海外を舞台とした冒険小説作家として有名な著者だが、史実をベースによくぞここまで壮大なスケールの物語を書けたものだ。著者の想像力と創造力に感服。大作であるが故に、登場人物が多く“誰が誰やら状態”になりかねないので、まとまった時間がある時に一気読みするのがオススメ。
このミステリーがすごい! 1位
日本冒険小説大賞受賞(1991年)
山本周五郎賞受賞(1992年)