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紙の本

弁護士は因果な商売

2002/08/30 23:23

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:APRICOT - この投稿者のレビュー一覧を見る

ペリー・メイスン・シリーズの1954年の第43作。
開業医のモールデンが飛行機事故で死亡する。彼には脱税の疑いがかけられており、その右腕で愛人だった看護婦も姿を消す。未亡人のステファニーは、夫が脱税した金を看護婦が隠し持っていると疑い、メイスンに調査を依頼する。

ステファニーは欲の皮が突っ張った女である。夫の死を悼むよりも、夫の隠し金をかっさらう方に血道を上げ、そのためにメイスンを利用しようとする。だからと言って冷血な殺人犯人とは限らないが、イヤな依頼人である事に変わりはない。それでも、メイスンは資格剥奪や刑務所入りの危険を冒して、依頼人のために全力で戦う。弁護士とはつくづく因果な商売だと思う。

メイスン物の最大の魅力は、証拠が乏しい中、いかにして真犯人と真相を、皆を納得させられる形で暴き出すか…という点にあるが、本書でも終盤の法廷での、スリリングでドラマティックな真相の暴露が圧巻。さらに本書では、真犯人が全く思わぬ人物で驚かされる。
さらに本書は、宿敵の検事バーガーがメイスンに殴りかかったり、メイスンが法廷侮辱罪を宣告されるなど、スペクタクルなシーンが多くて楽しめる。

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