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おれは歌だおれはここを歩く アメリカ・インディアンの詩 みんなのレビュー

絵本

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みんなのレビュー10件

みんなの評価4.3

評価内訳

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9 件中 1 件~ 9 件を表示

紙の本

歌っていたら、歌そのものに、なっちゃうんだ。

2009/03/08 23:00

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る

図書館で、表紙のKokopelli(ココペリ)、そして、『おれは歌だ おれはここを歩く』というストレートなタイトルに惹かれて手に取った一冊です。

ここには、アメリカ・インディアン(ネイティヴ・アメリカン)の詩が25編収められています。

ホピ族、メスカレロ・アパッチ族、エスキモー族(今は、イヌイット族と言われるほうが多いですね。)、ナバホ族、パパゴ族、ネズ・パース族、ズーニ族、ヒュイチョール族、テワ・プエブロ族、クワキユートル族、ハイダ族、トリンギッド族、チッペワ族、ピマ族、セネカ族、オマハ族の16の部族の詩です。

聞いたことのある部族もいれば、はじめて聞く部族も。

「おれは歌だ おれはここを歩く」は、ホピ族の『せむしの笛吹きの歌』で、ちょうどインディアン・ジュエリーを扱うお店で、ココペリ人形を買ったことがあったということもあり、とても親しみを感じました。

「おれは歌っている」じゃなくて、「おれは歌だ」。

歌っていたら歌そのものに、何かをしていたら、その動作や対象そのもに、すっとなれてしまうんだ。そんな気がします。

そして、動物は獲物でもあり、意思疎通できる相手のようでもあります。

「鹿がおれの歌声をきいてやってくる」のです。獲物なのですが。

おれは「フクロウ」にもなります。「黒い蛇」にもなります。

こがね虫の子供が背中で眠っているのを見たら、自分の子どものことを間髪いれずに違和感なしに、同じに考えられるのです。

詩とともにある絵、あるいは、詩なしの絵だけのページもひとつひとつが印象深いものです。

絵を描いた秋野亥左牟は、アメリカ・インディアンと生活を共にした経験があるといいます。

その、ときに細やかで、ときに鮮やかで、ときにダイナミックな世界は、彼らの生活そのもののを落とし込んだように見えます。

『守り神の歌』は、「腹ぺこのコヨーテがやってくる まっ赤な手 まっ赤な口 目球をつらねた首飾り」という詩なのですが、ここは、目球の首飾りをしたまっくろなコヨーテが、人の手のようなまっ赤な手を出して、まっ赤な舌を出しているのです。赤ってとってもコワイ色だったんですね。

著者の「アメリカ・インディアンの口承詩」に関する考察も読み応えがあります。

もっとも印象に残ったのは、エスキモー族の『魔法のことば』でした。

  ずっと、ずっと大昔
  人と動物がともにこの世に住んでいたとき
  なりたいと思えば人が動物になれたし
  動物が人にもなれた。
  だから時には人だったり、時には動物だったり、
  互に区別はなかったのだ。
  そしてみんながおなじことばをしゃべっていた。
  そのときことばは、みな魔法のことばで、
  人の頭は、不思議な力をもっていた。
  ぐうぜん口をついて出たことばが
  不思議な結果をおこすことがあった。
  ことばは急に生命をもちだし
  人が望んだことがほんとにおこった。―
  したいことを、ただ口に出していえばよかった。
  なぜそんなことができたのか
  だれにも説明できなかった。
  世界はただ、そういうふうになっていたのだ。

そう、この詩たちは、魔法のことば、なのです。

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紙の本

これはおとなの絵本だ。そして父が子どもに語り聞かせる本。

2006/04/13 10:28

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:りこのりこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 秋野亥左牟は、この詩に惚れこんだ。アメリカ・インディアンの詩。訳詩が素晴らしい。それに惚れて描いた画家の絵が息をする。ときに躍動し静止し、荘厳に華やかに優しく魂を揺さぶる。全霊をかけた絵がひとつひとつの詩に呼応して、インディアンの魂の詩を高らかに、静かに歌う。
 ペンの一筋一筋が心を打つモノトーンの細密画。インディアンが空を翔る。黒い蛇が歌いながら旅をする。光り輝く角をもつ鹿。走る小路のまんなかで、吹く風のまんなかで休んでいる岩。寡黙なのに多くを語るモノトーン。
 そして独特の色遣いが踊る彩色画には、光と風と匂いが溢れる。縞瑪瑙のような蹄をもつ、トルコ石の女から生まれた神馬の歌。たてがみをそよがせているこんなに神秘的な馬を私は知らない。緑が青が橙が異国情緒を醸しだす。なんという世界だろう。
 私はこの本を誰にもゆずれない。魅せられてしまったから。でも子どもたちにだけは、1頁ずつそっと開いて、読んで聞かせよう。そして機会があれば、秋野亥左牟の原画展に連れて行こう。ペン先の紙を擦る音が聞こえる緻密に描かれた絵から、狼の毛並みや梟の羽の手触りを感じることだろう。異国で培われた独特の色に心奪われるだろう。彼の絵の前で立ち尽くしていた私のように。
 「おれは歌だ おれはここを歩く」アメリカ・インディアンの鼓動がきこえる。胸が熱くなって、涙がこみ上げてくる絵本だ。

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2009/04/09 12:55

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2009/10/13 00:10

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2011/11/15 00:14

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2016/11/14 10:33

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2022/02/17 11:50

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2023/12/20 00:29

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