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私はまだ、大切な人を亡くしたり、という経験はないのだけれど、手を抜いてバカの振りをしてたら、本当に自分が無能な人間に思えて焦った、なんていうのは身につまされる感覚で。倦怠感に襲われてむなしくなったり、やる気が出なくて内に籠りたい衝動に駆られたり、というのも良くわかる。あとがきに「だから、そのうち目が覚めることを信じて、寝てていいんですよ」と書いてあったけれど、私は読みながら、眠りそうな人には眠っちゃダメだよ、眠ってる人には早く起きなさい、と言っているように思えて仕方なかった(笑)。安易な方に流されず、踏ん張らないと。堕ちるところまで堕ちたら、たぶんそこは居心地が良すぎて、もう浮上できない。内容は全然違うけど、読後の感想はshow must go on かも(笑)。
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ばななの話はいつもゆがんだ三角関係の話だ。夫と愛人と意識不明のままの妻、兄と兄の恋人である従姉と兄のモトカノの留学生 ・・等等。それぞれの2人の関係が等距離ではない少しよじれた人間関係。言葉がすんなりと意識の奥に届かない。文字数の割りに読むのに時間がかかる。
?!。プロットだけだと高橋留美子みたいだ。
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若いころはよくわからなかったけど、大事な人を亡くして時間を経た今は、どんなことがあっても人は笑えて、それがどんなにすばらしいことかということが受け入れられるように思う。
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【メモ】閉塞した夜の話3編(白河夜船、夜と夜の旅人、ある体験)・「白河夜船」眠り、寺子・「夜と〜」芳裕(兄)、サラ、鞠絵・「ある体験」深酒、春、水男
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眠っているときに私たちはどこにいるのだろう。眠ることは何を意味するんだろう。
目覚めたとき、世界は正しく美しいんだろうか。
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主人公の若い女性が少しずつ生気を取り戻して
行くお話。
二十代前半、何度も何度も読んで励まされた。
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01.白河夜船
02.夜と夜の旅人
03.ある体験
身近な人を亡くした女性が主人公の3作品です。
「死に向き合う」がテーマなのかなと思います。
けれど、よしもとさんの筆にかかると、重々しい主題がスルッと私の心に
入ってきました。
決して軽やかではありません。
「死」ですから重たいものは重たいのです。
けれど、重すぎないので向き合うことが出来ます。
3人の主人公たちも故人をしのんでしくしく泣いてばかりというのではなく、
これからどうやって生きようか模索するしなやかな強さを持っていました。
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送ってもらいキャッチしました。
似たような体験をしたことがあって、とても面白かったです。
薄い本なので、すぐ読めると思います^^
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p100〝〜先のことに対する、恐れを知らないまっすぐな背すじが。ふふ、と笑って夢見るようにサラは言った。恋が始まったばかりの時の、相手しか見えない、こわいもののない目をしていた。夢は何でも叶い、現実は押せば動く、と信じることのえきる目。〟
p216〝この小説集を、今の私だったら多分、より絶望的なものとして描くでしょう。それは私が絶望を知ったからではなく、その反対のこと(希望的とは呼ばない)をより知ったからです。人生の休み時間、陰の期間に目を映るものは皆、夢で出会う時、そこだけ後で思いかえすと妙にはっきりしている人間や風景のように色鮮やかです。〟
↓原マスミさんの解説
p221〝〜一方向にしか流れて行かない約束のこの生の中では、どんなかっこうになっていても、靴の先は必ず未来を向いているのだ−と彼女たちの知恵に学ぶのです。〟
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久しぶりの再読。
初めて読んだ中学生当時、あまりにはまってしまい、習字の時間に『白河夜船』と書いて、先生をあきれさせたのも良い思い出・・・。
今でも落ち込むとひたすら眠ってしまうのは、この本の影響も多大にあると思われる。
そのくらい大切な1冊。
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近しい人との死別による自己の崩壊と再生を綴った3つの作品集。流れる文章がみずみずしく美しい。2011/3/9
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「白河夜船」というのはなんだかいい響きの言葉だ。
これを読んだのちに、横山光輝版「項羽と劉邦」を再読していて、
この「白河夜船」という言葉が出てきていたのに気づいた。けっこう目をひくワードだと思うが。。
普段アンテナが張りきれてないだけで意外と言葉を見逃しているのかなとその時思った。
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身近な人間の死に触れて、何かが狂ってしまった人たち。ひたすら訪れる深い眠り、夜中の彷徨、酔いとともに聞こえる不思議な歌声…。そんな人たちの“夜”を描く3部作。
私の記憶が正しければ、この本は私が初めて読んだ吉本氏の本である。(だからどうというわけではないが。)いつも思うけれど、吉本氏の書く人は、誰も彼もせつない人生を送りすぎている。だけどその哀しみとか嘆きを激しく吐き出すことは決してない。そしてやさしいモノや人や出来事によってゆっくり再生していく。そこが物足りないところでもあり、安心できるところでもある。
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吉本ばななによくある身近な誰かを亡くした人々の話。
白河夜船は、植物状態の妻がいる既婚男性と付き合う女の子の話。恋人と会うために、仕事まで辞めてしまい、だらけることに慣れて、眠りに生活を支配されそうになるとこを植物状態の妻に助けられる話。
夜と夜の恋人は、主人公の魅力的な兄に亡くなってからも、もしくは亡くなったという事実になお一層ふりまわされる若い女性二人の話。
ある体験は、一人の男性を取り合った女性二人の奇妙な友情の話。
どれも吉本ばなならしい透明感あるストーリーだが、処女作であるキッチンとつぐみに匹敵する作品ではなかった。
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私にとっての初・吉本ばなな小説。
3編とも「死」を扱っているのに重くも暗くもなく、読後感が爽やかでした。