ほとんど、「蔵書票研究」と言ってもよいほどの本。蔵書印と蔵書票の違い、西欧と日本との「書物」と人との関り方、印刷技法、分類法、などについて、まずは基本的文献としても。蔵書票に憧れて、自分専用のそれが欲しい、などと考えたこともありました。でも、蔵書票「EX LIBRIS エクス・リブリス」とは、「(out of the) Books, of (from)...」という意味のラテン語だから、本来はその後に所有者の名前が「誰それの」という所有格に活用した形で記されなければならないのです。だからむしろ今は、「誰それ蔵書」といったような、古来からの蔵書印が欲しいなあ、と思っています(「欲しい」ってのは変わっていないのだった・・・)。棟方志功自作の「志功蔵書」なんて、素敵です。ともあれ、白黒ですが図版も多く、楽しめるし知識も増えます。蔵書印が捺してあったりサインが記されていたりすると売り飛ばすときの古書価に影響する、とかケチなことを考える人には無縁の書物かな、どうかな。