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指輪物語 新版 第1部 旅の仲間 みんなのレビュー
- J・R・R・トールキン (著), 瀬田 貞二 (訳), 田中 明子 (訳), アラン・リー (絵)
- 税込価格:8,580円(78pt)
- 出版社:評論社
- 発売日:1991/03/01
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紙の本
ぜったいに映画を観てはならない!
2003/04/09 15:43
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:山 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ファンタジーの最高峰」だとか「RPGの原型」だとかの紋切り型の紹介しかされない本書(この物語)は不幸だ。映画が公開される以前には至極マニアックなサイトもあったのに何故かネット上から消えてしまった。古くからのファンは関わりたくないという気分なのだろう。同じ紋切り型で紹介するなら、指輪物語は「剣と魔法による戦いからの解毒の物語」のほうがいい。剣や甲冑、また中世の毒々しいニオイに惹かれてRPGゲームをする人なんてもういないのかもしれないが、私はそうだった。そこには「錬金術」という言葉に象徴される、ぜったいに“黄金”に輝くことはない「不可避な現実」が描いてあった。どんなに失敗し続けても人間は、じぶんの人生が“黄金”に輝くことを、どこかで諦められない。それがあまりに困難で実際には不可能と悟りつつ、それでも人生を諦めることのできないわれわれは、現実を現実たらしめている「悪魔」と戦うことを夢にみる(実際に戦えないからゲームで代用する)。
「悪魔」とは“運命”なのかもしれないし、人間の“弱さ”なのかもしれないが(指輪物語では「指輪」がそれ)、その不可避な人生の“壁”と戦い、毒を受け、血を流し、もがき苦しむさまを、これでもか、これでもかと畳みかけるように描いたのが本書なのだ(ちなみに本書では「魔法」の本質についても書いてある。魔法とはハリーポッターのように何でもできる「念力」などではない)。
ロードオブザリングという映画は、本書のダイジェスト矮小版であり、ほんとうに描かねばならなかったことは微塵も描いてないし、ビジュアライズも最低だ。指輪物語に憑依されて描かずにいられなかった「ジョンハウ」や「アランリー」といったイラストレーターの絵(本書の表紙がアランリーなのではなかったか? 確か同出版社からイラスト集が出ているはずだが、いかんせん画質が悪い)を映画に具現すべきだったのに、それをしなかったために映画を観てから本書を読んだという人は、おしなべて矮小なイメージにとらわれてしまう。もし、これから指輪物語を読もうという方は、ぜったいに映画を観てはダメだ。
紙の本
指輪物語とハリー・ポッターを比較して読んでみる
2003/04/24 23:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:姫林檎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大人気の二大ファンタジー『指輪物語』と『ハリー・ポッターシリーズ』を比較して読んで面白がっている。実際、作品の根底にあるものは、正反対と言っていいほどに、かなり違うように思う。
ハリー・ポッターは、偉大な魔法使いの両親を間に生まれたサラブレッド、名実とも生まれながらの魔法使いのエリートである(もちろん、そのための苦労や不幸も当然ある)。
かたや、指輪物語の主人公であるフロドは、なんの特殊能力も持たない、この話に登場する魔法使いやエルフに比べるまでもなく力のない、しいていえば気の良いだけの平凡なホビット(こびと)である。しかしその力のなさが主人公の資質なのである。
指輪は『力』そのものであり、魔法使いや賢者であればあるほど自分を誤魔化して『力』を使用し続け、指輪を使っているつもりがいつのまにやら指輪に使われている状態になり、悪用してしまうのである。
そして、その指輪を捨てさる仕事を自分にではなく、フロドに託したガンタルフは、身勝手で、しかし己を知った賢者である。
『指輪物語』と『ハリー・ポッター』の賢者の定義ひとつとってみても、面白さは尽きない。
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