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何度か手にしては頭のかたい自分には難解過ぎて途中リタイアしてきた本作。二十五歳にして初めて最後まで読むことができました。と言うのも、来春公開予定のティム・バートン版アリスの予習をしたかったのです。
以前挫折したものと内容が違ったように感じたのは、訳文が口語体だからでしょうか。厚さも大分薄いような気も。原作のままですかね、これ。それともいくつかのエピソードをピックアップしただけかしら。
とにもかくにも、良い悪いとは別に、とっかかりやすい、わかりやすい訳ではありました。
個人的には作品の雰囲気として、この作品にはクラシックならではの良さ、があると思うので、あまり砕けた表現は原作とは別物かな、とも。アリスがなんと言うか子どもらしいのか謎ですが、どちらかと言えば怒りっぽく乱暴なイメージになっていました。
これが原作者の意図とどうか?と言うのには多少疑問が。
しかしまあこれまでは本当に「作者の意図はどこにあるのか?」と勘ぐることに疲れ先に進めなかったものが、今回素直な気持ちで「筆者が少女を楽しませるために語った即興の物語が素なのだ」と納得することができました。
これには口語体が一役買っているでしょうね。つまりは本になる前の即興語りを聞いている気分で読めるわけです。
なので素朴ですとんと元々の成り立ちを感じられました。
今度また以前挫折した文語体のクラシックなものも読み直したいですね。
しかしこの作品は言葉遊びが面白さの要とも言えますから、原語で読んでこそ真実楽しめる作品と言えるでしょう。
夢オチの元祖ですよね?。
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子供の時は挿絵の面白さに満足していたけど、改めて読むと本当に解らない不思議な作品。やはり原書を読まないと理解しにくいのかも。
アリスをただの可愛い女の子と思ってはいけないと気付いた。
訳本も多いし、映像化やオマージュ作も多いので、やはり永遠の名作として読み続けたい。
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有名な本なのに今まで読んだことがなかったので。
荒唐無稽、支離滅裂な話。
子供の思考って意外とこんなだったりするのかな。
この物語は作者が作者の通っていた学校の校長先生の娘、アリスに作ってあげたものなんだとか。
どこか、校長先生に「ごま」をすってるように思ってしまう。
巻末の解説などを読むと、どうも作者はロリコンみたいだし。
いかんいかん、年とって雑多な知識が身に付くと、このようなワンダーランドにはすんなりと入っていけなくなる。
言葉遊びなどもふんだんにあるらしいので、原文で読めたらもっと面白いだろうな。
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『アリス・オンパレード』第11弾。集英社文庫版。訳は北村太郎。本書の何処にも訳者の紹介が見当たらないのだが、どうやら「荒地」詩人の北村太郎だと思われる。この訳の特徴は意識的、自覚的に格調の高さを捨てることで「子どもことばの口語体」で語っていること。アリスの1人称は「あたし」。それとともに、アリスの語りが男の子の口調なのにも違和感が否めない。解説は詳しく、作者の年譜やドッジソン撮影のアリス・リデルの写真も掲載。挿絵はテニエルなのだが、表紙は村田雄介のもの。思わせぶりなポーズのアリスで、品(ヒン)がない。
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キャロルの人生もこんな感じだったのかな。何事も変てこに感じる事が多かったのだろうな。理系男子にはありがちな。ダジャレ好きだし。
物語はすごいカオス。でも現実に世界はカオス。切り取り方次第でどんな風にでも見えるトリックアートのように。
実際世の中は変てこな事ばかりで「不思議の国…」であるのは当たり前のように思います。
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ちゃんと読んだ記憶が無かったので読んでみた。
ストーリー性がなくてイラついたけど、
それを求めたらダメなんだろうな、と思ってやめた。
(でも、やっぱり理解し難い。)
言葉遊びがふんだんに入ってたから、原文読んだら面白いかな。
他の訳も読んでみたい。
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原本で読まなければ、おそらくこの本当の面白さは分からないのではないかなー。いや、原本で読んでみたところで、この本の面白さには到底近づけない。分からないもの(見えないもの)に近づけないというのもおかしな話だけど、これは感覚の問題で。言葉遊びによる言語学的なアプローチや、哲学的問答に着目した分析なども興味あるので、それはそれとして読んでみたい。ルイスキャロルは乱暴な言い方すれば変態。現代で言うロリコン。純粋な少女愛と称されてもやっていることを現代の物差しで計れば完全にアウトです。そういう経歴も込み込みで読んでも面白いのか?北村太郎さんの少しでも原版の面白さというか趣を他言語で再現しようと試みている訳はあっぱれです。いやー読む力がなさすぎるなー。
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そこら辺にあった長い穴を抜けるとふしぎの国だった。
不朽の名作、数多の国で愛される児童文学の代表作。少女アリスの冒険ファンタジーの第一作。
中学生の頃、『鏡の国のアリス』を読もうとして挫折したが、この作品は最後まで読むことができた。『ふしぎの国のアリス』を読むには、ナンセンスを受け入れる度量が必要だ。「訳が分からねぇ」と投げ出すのではなく、「訳が分からないままで良いんだ」と受け入れなければならない。ただこのナンセンスがどれほど面白いのかは十全には理解できない。『ボボボーボ・ボーボボ』のナンセンスギャグは、子どもの頃見ておかし過ぎて笑った記憶があるが、大人になった今では狂気の側面を強く感じ取ってしまう。アニメ化された『ボボボーボ・ボーボボ』は、原作よりも流血描写を抑え公衆向けに制作されておきながら、「見ていると頭がおかしくなる」という苦情が来たという。『ふしぎの国のアリス』はそこまでギャグに特化していないが、笑いどころは似たようなものなのだろう。
ナンセンスの領域に関しては向き不向き合う合わないがあるが、それでも多くの人々にこの作品が愛されるのには、偏にキャラクター性の高さにあると言える。主人公のアリスを筆頭に白ウサギやチェシャ猫、いかれ帽子屋、ハートの女王などキャラクター的にもビジュアル的にも鮮烈なキャラクターがたくさん登場する。『ラブライブ!』や『ハートの国のアリス』、『幸福グラフィティ』のOPや『SHUFFLE!』のEDなど様々な作品でモチーフとなったり、パロディの対象となったりすることから、登場人物のキャラクター性もまた、『ふしぎの国のアリス』の魅力であることは疑い得ない。今年のハロウィンでもアリスの仮装をした者は少なくないだろう。
ストーリーに関しては伏線やどんでん返しの類はない。この物語はアリスのモデルとなった実在したアリスとアリスの姉妹を楽しませることを主眼においたものなので、エンターテイメント性の方向が一般とは異なるのだ。だから「夢オチ」も許される。
世界観は言うことなしに素晴らしい。奇想天外かつ摩訶不思議で更に魅力的である。また空想的かつ独創的であるように見えるものの現実に即したものもあり、アリスの大きさが変わるシーンなどは、作者であるキャロル自身も患っていた懼れのある、後に『不思議の国のアリス症候群』と呼ばれる症状に由来しているという。この症状に関しては自分も経験がある。一番記憶に残っているのは高校時代に教師に説教された際に教師の像が非常に遠くに感じられたことだ。大抵、対話する相手と緊張した時に発生していた気がする。キャロルは大人になっても症状を覚えていたのか、それとも比較的頻繁に症状が出ていたのかは不明だが、後者だとしたらなかなか辛い人生だったと思う。キャロルは他にも吃音のハンディキャップがあり、運動も苦手。勉強は非常にできたそうだが、一般人に比べ、お世辞にも順風満帆な人生とは言えなかっただろう。だからこそのアリスなのかも知れないけれど。
テーマはナンセンス。訳の分からない会話の多くはこのテーマに由来する。だがこの訳の分からなさに付き合えるのは子ども特有だ。大人になれば大抵「��わらない方が良い」と自己防衛本能が働く。大した自分でもないのに。――というのは冗談で、物語が「夢の中の世界」を舞台としている以上、訳の分からない会話にも妙なリアリティがある。実際にこんな夢を見たことはないが、「1+1=3」が真理となっている世界の夢を見たことがある。
文章はナンセンスの詩や原文の言語のセンスなども含め考えると、非常に高い。だが喩えは悪いがキャロルは英国の西尾維新のようなものなので、翻訳するとどうしても面白味が減ってしまう。そういう意味では文章はどの国でも通じるとは言えない。これはどんな小説であれ抱える問題ではあるのだけれど。
台詞は前述の通り訳が分からない。訳が分からないが偶に真理を突いたことを言う。そういう点では子どもの発言と似ている。
総合的見て、普遍的に愛されるファンタジーに相応しいクオリティだった。珍妙な世界を形成しつつも、どこか「こんなことあったな」と人生の記憶を思い出させるノスタルジィがある。エンターテイメントというよりも文学に位置する作品だが、キャラクター性によって不朽の人気を築くなど、娯楽としての価値も高い。
キャラクター:☆☆☆☆☆
ストーリー :☆☆
世界観 :☆☆☆☆☆
テーマ :☆☆☆☆☆
文章 :☆☆☆☆
台詞 :☆☆☆☆☆
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とっても有名な不思議な国のアリスの翻訳。地の文が口語調でアリスの語り口が生意気な少女っぽいのが特徴です
ナンセンスな話がだいすきなので楽しく読めましたが、言葉遊びのページやその注釈、「英語」といった単語が出るたびに夢から覚めるようで、翻訳を意識せざるを得ず、その点がナンセンス小説を楽しむ足かせになりました。
上品さを故意に打ち消し子供向けの口語体は読みやすく作品にマッチしているのですが、上記の点がざんねんでした。
他の訳も読んでみたい。
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意味がわからないのがこの本のいいところなんだけど、やっぱり話の内容はわかりかねます。
ナンセンスが好きな方には向いているのかも。
タイトルだけに不思議な話です。有名な作品だけど、とにかくわかりにくい話です。
英語だったらダジャレに思える会話文も日本語に訳すと余計にわかりにくいのかも。
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ナンセンスに次ぐナンセンス。だけど超現実的なイメージ(夢とはっきりいっていいものか?)を不気味なだけでなく、ポップでキュートに仕上げているのが良い所だと思う。こどものための話だし、大人が読んでもよい話。
あと個人的には最後のお姉さんの語りが、切なさと味わいを与えて締め括ってくれていて、すきだなあと思った。
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なんとなーくしか知らなかったアリスの話。
読了。
正直、わけ、わからなくなる(笑)
自分の持ってる表紙、これとは
ちがうやつでした。(10刷目)