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この方の小説は大好きなんだけれど、今ひとつ、というのが正直な感想。
ミステリとしても、青春小説としてもイマイチ。
「ぼくのミステリな日常」と微妙にリンクしていて、切なくさせられた。あの人のその後が解って嬉しいような、悲しいような。
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さすがに若いなぁ、文章が。それ故なのか、時々つっかかります。
なぜだかタイトルと「水上音楽家」と思いこんでいて、水上ってなんだとか思っていました。
卒業を間近に控えた高校生、幼馴染み3人が遭遇する女子高生の殺人事件。先が気になって気になって、という運びはさすがです。
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若竹七海の魅力が凝縮した作品。
謎解きと共に読者が認識していた人物像が少しずつ壊れていく。
北浦さんの裏なんてまだまだ甘いもんで、最後の一行まで登場人物たちの行動に気が抜けない。
本当に解かれているのは謎よりも人間。
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読み終わってみると表紙がもの悲しい。
きっとこの写真を後生大事にずっと持ってるのは真魚なんだろうなと。
青春暗黒童話でした。
文庫化してないのは作中の悪口が原因と言われてるらしいけど、悪口だからなぁ。ううーん。
昔の本なので時代にそぐわない表現がありますうんたらとか書いて、文庫化してくれたら嬉しいんだけどな。
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イメージ参照(http://blogs.dion.ne.jp/kentuku902/archives/6347551.html)
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今読むと、幼馴染み高校生三人のキャッキャウフフがゴロゴロものである。
そしてミステリの方は…
三人組の一人に一方的に迫っていた後輩の美少女が死体で発見されるというもの。
ある事故をきっかけに記憶が混乱するようになった主人公は、友人の容疑を晴らそうと行動するが。
そして結末は…
うわあああ、後味わるう!
主人公の事故の真相も、事件の真相も、悩める甘酸っぱい青春的な前振りとは大違い。
これは素敵なイヤミス。
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なんとなく初期の若竹作品を読みたくなりました。20年近く前の作品なんですね…うわぁ。
荒井冬彦(名前から連想してラスカルとあだ名で呼ばれる)の頭は少しおかしくなっていた。
自転車との衝突事故以来、聞いていたことを全く思い出せず、逆に覚えたつもりもないことをスラスラと答えられる、そしてやってもいないことを「やった」と記憶している…。おかげで成績はガタ落ちしたが、幼馴染の真魚と共になんとかひとつの大学に合格した。
だが喜びもつかの間、もうひとりの幼馴染・坂上静馬の所属する合唱部のコンサートの準備を手伝った夜に、同じ合唱部員の後輩が殺され、翌日に無残な死体で発見された。
殺された彼女に最後にあった人物、そして準備中に冬彦をキチガイ呼ばわりしたことで彼女と口論となった人物として容疑者扱いになってしまった坂上のために、なんとかしようと冬彦と真魚は手を尽くすのだが…。
「若」という字は「苦」に似ている。
確かに…左に流れた線が縦に伸びていれば、その通りの字になります。つまりそれは、真っ直ぐであればあるほど「苦」に近づいていくってことなのだなぁ…
主人公ラスカル君もとても真っ直ぐ故に、苦しむことになった1人のように思います。なにかを色々諦めて妥協点を見つけてしまった大人(あるいはそんな大人になることを受け入れた子供)ならば、苦しまずただ流されていったのだろうな…。
真魚ちゃんもとてもとても真っ直ぐなんだけれどあまり「苦」を見せていないのは、恐らく彼女が「苦」になるのは今後…真実を知った時から始まるのじゃないかしら…。
殺人現場とされている音楽堂の構造、正門と裏門、時間差…ミステリの要素はあるものの、この作品はミステリというよりはミステリを装った青春ものじゃないのかと思います。トリック自体はちょっとがっかりです; ただ、この高校卒業直前という、潔癖と狡賢さの入り混じった青少年の精神状態の描写はやっぱり若竹作品だなぁ…と納得です。ここから進んでいった先に「スクランブル」(あれは女子高の話だが)があるのだなぁと少し感慨深かったです。
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一見、青春ミステリーでいちおう最後まで青春ミステリーなんだけど、強いて言えば暗黒青春ミステリーというか。
いや真面目な話これほど救いがない青春ミステリーはそうざらにはないと思うの。
ハードカバーの表紙の爽やかさがある意味手の込んだ皮肉にしか見えないのが素敵(笑)。
もともと若竹七海の作品で後味が良い作品の方が少ないんだけど、その中でも異色を放ってます。
残念ながら現在は絶版、しかも文庫では出てないので、図書館などの利用をおすすめ、一読の価値はあります。
ちなみに、若竹七海作品で一番後味がよいのはたぶん『製造迷夢』かな、口直しとしてこちらもどうぞ。
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好きな著者だったので。
大学入試に合格したばかりの、
幼なじみ三人組高校生、最後の春だからと言って、
この著者の場合、油断してはいけない。
ほのぼのうるうる青春ストーリーとはならないことは、
覚悟しておかないといけない。
そんな斜に構えた読み方のせいで、
個人的にはハートブレイク的な感想にはならなかったが、
それはそれでちょっと残念な気もする、まったくもって素直でない読者だ。
女子生徒が殺され、
犯行時の重要な証人は記憶に変調を期待している一人の生徒だった。
幼なじみが容疑者となり、その疑いを張らずべく奮闘する生徒たちだが…。
結末はともかく、
幼なじみたちの仲の良さ、
記憶を失った原因とその背景の描き方、
生徒同士や先生との小気味よい会話もとても良かった。
ただ単に髪の毛が薄い/無いの一点で、
校長&教頭先生と「刑事コジャック」を色気や潔さで比較するはひどいですよ、
末松先生。
しかし、
ミステリーの重大な構成要素や何度も登場する単語のために、
現在はもう出版されないだろうことを考えると、
本の感想よりも、複雑な気持ちだ。
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青春小説のような学園ミステリー。書かれた時代を感じます。青春といっても清々しい方ではなく、グルグルドロドロの心痛い方です。読み終わった後もどんより、モヤモヤした気持ちが残りました。